1997年8月




#31(日)

◆渋谷レコファンで(あの昇ってるとき外の見えるエレベーター好き!!)、b-flower『Clover Chronicles 1』、VIBRASTONE『VIBRATION+STONE BEST 1991~1994』を千円で。日曜の渋谷は人が多くて困る。台風で飛ばされ、センター街の入り口看板がないので、間の抜けた風景だ。

網島友理『全日本荒唐無稽観光団』。 「げろ」や「なんじゃい」「ごめん」「大麻」など変な地名の場所や、寄生中館やカミナリ風呂など「なんじゃこりゃ」といった場所を訪ねたルポ。男三人で清里ペンション旅行がおもしろかった。と、いまテレビで武田鉄矢の『刑事物語』が流れていて、武田鉄矢が犯人を取り逃す場所が「ごめん」駅だった。やるなぁ。オイラ好きだな『刑事物語』。★★★★[講談社文庫]




#30(土)

◆眠い。約束がなかったら一日中寝ていたいところだけれど、仕方なく起きて、一時間ほどかけて代々木八幡駅へ。母親と駅前レストランでハヤシライスを食し、青年座劇場へ。井上夢人原作の『プラスティックス』観劇。原作を読んでいないので、驚きがあって良かった。途中5分ほど眠ってしまったので、話はよくわからんかったが、叙述トリックもののミステリーだってことは分かった。

◆渋谷に出てタワーレコードに行こうと思ったのに、なぜだか道玄坂へ行ってしまう。タワーレコードへ行くのに迷うってのも相当アレだな……。BROKEN BELLS vs.伝助『BROKEN BELLS BREAKS vol.1』[不知火]、Chelsea Terrace『Telescope Future』買う。

◆不知火と1050とashレーベルは良いですな。多分、そんなこと思ってる人は、全国で二千人もいないんだろうけど、いいものはいい。TAMARU自身のCDと、TAMARUの参加してるCDは集めようと思っているのだが、以外に数が多いなぁ。

◆「小さなものに気をつけろ/物を小刻みにして/時間を無限の小ささに分割し/目に見えぬ微塵に宇宙を見よ」『高橋新吉全集(1)』より。

◆Chelsea Terraceは、透明感溢れる女性ボーカルというあおりに魅かれて買ったのだが、聴いてみたら、全然透明感溢れてないじゃんか。騙されたぁ。インキャパシタンツでも買えばよかった。ノイズ=ヌーヴェル・ダダイズム。結局、ヴォネガットのホラ話と高橋新吉全集と青空があればよいのだ。




#29(金)

◆牛丼屋の有線で『MAGIで恋する5秒前』が流れてきて、胸がキュゥンとする。はははは。広末涼子以外に神はなし。

『GONIN2』監・石井隆。 素晴らしいね。このわかりやすさ。皮肉じゃなくて。個人的には、ほとんど動機のない犯罪や犯罪者に魅かれるけれども(例えばピーター・キュルテン)、『GONIN2』のように動機描写の明確な犯罪活劇も良いです。わざととって付けたような動機付け描写をしていると裏読みもできる。ただ、大竹しのぶの存在はよく分からない。出てきてすぐ死んじゃうし、余貴美子のほうがどう考えても主役なのだが、クレジットは一番上というのはどういうことだ。まさか、全て大竹しのぶの見た夢ということなのだろうか。ラストの組長殺しは叶えられなかった夢なのだろうが、「半年後」というクレジットは余計だ。そこまであいまいに分かりやすくすることないんじゃないのか。大スクリーンで見たかった。特筆すべきは安川午朗の音楽なり。とくにラストのマーラーを連想させる叙情的音楽が素晴らしい。もっと石井隆に監督させろ。 ★★★★★




#28(木)

カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』ヴォネガットは再読するほど味が出る。 ★★★★[早川書房]

団鬼六『SMに市民権を与えたのは私です』。 自伝。冒頭のエピソードが良い。賭け将棋で負けた男が、金の代わりに女房を抱かせるというのだが、驚いた鬼六「インポです」と断ると、男「ならば実演するから見てもらおう」と絡み始めるのだ。そいで、男は笑いながら鬼六にむかって「何ぞ、お好みの体位がございまっか」。深沢七郎ふうに、庶民ですねーと思わず感激してしまった。インポだと断ってしまところが、インテリの悲哀ですな。幻冬社からアウトロー文庫の一冊として三回目の復刻がなされた。★★★★[勁文社]

ホレス・マッコイ『彼らは廃馬を撃つ』。 いつも自殺を考えてるようなネガティブな女性にはどこか魅かれるものがあるな。 ★★★★[王国社]




#27(水)

矢川澄子おにいちゃん〜回想の澁澤龍彦』。 「そう、アイデンティフィケイションなんて単に主観の側のあまりにもちゃちなドラマにすぎないではないか」。ホントにそうだったら楽でいいけどなー。 ★★★[筑摩書房]




#24(日)

◆数日前、部屋の模様替えをしようと、家具や本を動かし始めたら、収拾がつかなくなってしまったのだ。

◆バイトの面接。帰りにバナナレコードで、島筒英夫『続超時間的』、きなこ1『ゲルハルト・フックス氏のある休日の午後』。

◆トイレを借りるために図書館へ行き、ついでに5冊ほど借りてくる。リサイクルで、岩成達也『擬場とその周辺』、『人間は何を食べてきたか』をもらう。
森鴎外のエッセイを読んでいて、この文体は山本夏彦に影響をあたえているのではないかと感じた。

◆近くのエロ屋でエロ雑誌群れを立ち読み。エロ雑誌こそエロを擬態にした文化雑誌だと思うよ。『アナトミア』は読み応えあるし、『マガジン・ウォー』の自転車日本一周ガキと灰谷健次郎批判はスカっとしたし、『ビデオボーイ』の、映画『シャイン』評は素晴らしいし、個人的に嬉しかったのは『熱烈投稿』で、小林信彦と河野典生の昔の角川文庫が紹介されてたこと。オイラも中学のときから集めてたよ。それにしても、小林信彦の『冬の神話』が絶版とはどういうことだ。こんな名作が!!




#23(土)

◆新宿、シネマトレイン上映会。へ行こうと思っていたのだけれど、一日中、寝ていた。夕方、横浜の東急ハンズへ自転車で。玄関に付けるピンポンベルを買う。「まんがの森」で少し立ち読みし、近くの古本屋「ぽんぽん船」が全品百円セールとのことで立ち寄ったが、これほどそそられる本のない古本屋も珍しく、『ディスコミュニケーション(3)』と『荒川洋治詩集』を買っただけで、帰る途中、レンタルビデオ店を覗くと、サトウトシキ監督の『不倫日記濡れたままもう一度』が『奥様は幽霊』のタイトルで、とうとうレンタル開始。佐野和宏の傑作『変態テレフォン・オナニー』もいつかビデオ化してほしいものだ。『こっくり』『憎しみ』借りる。

◆昔の手帳を見返していたら「筒井『熊の木本線』=ボルヘス」とか「傘が階段の途中で僕の目に刺さった」とか「レストランによくある、温風で手を乾かし殺菌する機械の顔用を作れば売れるだろう」とか「また開き少女」(これは覚えている。ある朝、電車で前の席に座っていた女子高生が、大股開きで眠っていたのだ。感動して思わず書き付けたのだと思われる)とか「ゴジラに追い掛けられたエキストラの一人を追い掛けたルポ」とか「三年の独りの日々を知れる髪夏水沫ほどにカールさせたり」という松平盟子の短歌やら「物語は人を殺す」とか「淫仙先生」とか訳わからん書き込みがあって、まるで電波系の人のようではないか。わはは。

植芝理一ディスコミュニケーション(3)』。 資料として使っている本や写真集を巻末に挙げてくれるとありがたいのだが。参考資料なしに描いているのかもしれないけれど(それだったら凄い)。松苗ではなく松笛だったのね。今までずっと松苗だと思い込んでいた。 ★★★★[講談社]

荒川洋治『荒川洋治詩集』。 「方法の午後、ひとは、視えるものを視ることはできない」って、冒頭からスゲエ。★★★★★[思潮社]

『憎しみ』。 憎しみは憎しみしか生まないが、それでも・・・。★★★★

永野のり子『土田さんてアレですね』。 もう何回読み返したか分からないのだが、読めば読むほど味が出てくる。一つ一つのエピソードで長編が作れそうなほど濃い。 ★★★★★[日本文芸社]

永野のり子『科学少年01くん』。 永野のりこの描く主人公たちは、世界と自己との乖離に悩んでいる。つげ義春もそんな感じだが、つげ義春も永野のりこも、奇妙に歪んだ明るさで表現している。だから彼らのマンガは暗いのに明るい。それが心地よい。 ★★★★★[アスキー]

『こっくり』監・瀬々敬久。 どうもだめだ。観念的すぎる。瀬々演出で神話をやるのはとうてい無理なのだ。そういうタイプの演出には向かない人なのだ。★★★

鈴木翁二『透明通信』。詩人の仕事だ。★★★★★[青林堂]




#23(土)

◆横浜駅のストリート・ミュージシャンたちに話を聞く。ライブの宣伝活動の人が多く、ストリート一本の人は殆どいない。

◆すごい夕立。びしょぬれる。
やっとクーラーを入手。大家さんに頂いた。感謝。でももう夏も終わり、か。

川原由美子『観用少女(3)』。 熟成された短篇群。巻が進むにつれて心理面が際立ってきている。心理劇を描くのに、少女マンガほど適した方法は他にないだろう。★★★★★[朝日ソノラマ]

中森ばぎな『エンドレス・チャイルド』。 桜沢えりかに憧れていた少女が、冗談でエロマンガ送ったら、いつのまにかロリータマンガ家になった。女性ロリータマンガ家の奔り。
トルコ風呂って単語が懐かしい。★★★[辰巳出版]




#22(金)

小嶺麗奈吉野沙香野村佑香の写真集発売記念サイン会にでも行こうかと画策していたのだけれど、結局、一日中、寝ていた。

菅野美穂ついにフルヌード写真集だとぉ。いかん、いかんよ。いや、いいのか、いや、やっぱいかん。

Every Little Thingはむかつきますね。あの戦略的な歌詞が特に。何も考えてねえな。「いつか最高の自分に生まれ変われる日が来るよ」なんて聴くと、「こねえよ」と毒突くのだが、ある時、妹に「そういうこと言うな」と言われた、ということは、「来ない」ことを分かっていながら、あえてそう言うしかない、そう思い込むしかない状況を歌っているのだろうか。それならたいしたもんだが、どうもELTとかミスチルとかは、本気で「来る」と思ってるように見えるのが恐い。結局、脳内革命や船井幸雄と一緒なんだよな。そういうのが人気の日本というのは、やばいよ

◆偶然『ヤングジャンプ』を拾い、広末のグラビアを見て、彼女への愛が再燃する。やばいな。「やばい」を広辞苑で引いてみたら、危険なさまに言う隠語、だそうだ。当て漢字は載ってないのでわからない。多分、「夜馬」から来てるんじゃないか。夜、馬に乗るのは危険だからね。オイラも折口信夫くらい頭が良かったらすぐ分かるのになぁ。

那須雪絵『ダーク・エイジ』。 青春時代が「ハッピー・エイジ」だったなんていう奴は信用するな。 ★★★★[白水社]

『あんなに愛し合ったのに』監・エットーレ・スコラ。 2回目。切ないけど、甘くはない映画。物語の語り方も上手い。虚構内存在が自らの物語を虚構外存在に語るというのは、なぜか悲しさを醸し出す。傑作。★★★★★




#21(木)

◆渋谷東急で『エヴァンゲリオン劇場盤完結編』見る。二回目。それにしても客がいない。自販機のジュースが二百円ってのはボリすぎだろっっ!!

◆Yにつきあって、緊縛の起源の資料探しに神田神保町へ行く。

◆『もののけ姫』を観にいこうかと渋谷へ戻ると、二時間待ちだと。帰る。サンダルは長時間歩くのには向かない。疲れた。

エヴァンゲリオン劇場版完結編』監・庵野秀明。 さすがに二回観ると物語構造が良く分かる。今時すごく分かりやすくて、おもしろい映画だ。ラストのアスカの台詞は絶望ではなく、ああいうやり方でしかコミュニケーションできないのだと考えれば、むしろ希望でもある。音楽が甘いのと、説明的な科白が多すぎるのが残念だ。上映終了後、「観なければ良かった」という声が聞こえたが、それはないだろう!! ★★★★★

浜岡賢次『浦安鉄筋家族(15)』。 白熱の浣腸対決。44浣腸好きだなぁ。のり子の小鉄に対する想いがさりげなく描かれていて、『浦安』は恋愛マンガでもあるのだ。 ★★★★★[秋田書店]

SABE『初体験白書(下)』。 南Q太との子供も生まれて絶好調なSABEの昔の作品集。この本、『このマンガがすごい』か何かの本で紹介されていたように記憶しているが、同じ作者ならこれよりもっと良い作品集があると思う。痔持ち少女、ギャンブル狂女子大生など、クセのある人物はSABEらしい。オイラが一番好きなのは、裏表紙の「なんスか?」見返り少女である。★★★★[久保書店]

『だっくす 特集・倉多江美』。 倉多江美のインタビューが少なすぎる。若松孝二・唐十郎・赤塚不二夫のよる対談「ウナギイヌは満州生まれか」がおもしろい。ウナギイヌはくびのすげ替え、つまり転向の表現だろうという指摘を平岡正明がしたわけだ。やるなぁ、さすがだ。こういう深読みが評論の醍醐味というか神髄だろうし、読むほうもおもしろい。表紙の内田善美の名前に惹かれて買ったのだが、それについてはたいした内容ではなかった。★★★[清彗社]

町田ひらく『幻想小節』。 林静一かと思わせる表紙にまず驚いた。カラー口絵の少女は、町田ひらく版綾波レイだろうか。いろんな作家の描いた綾波を一冊にまとめてみるとおもしろいかもしれない。町田ひらくは映画志向の人なのだと思う。日本のマンガ家(例えば手塚治虫藤子不二雄)は映画志向で発達してきたのだからして、町田ひらくは正統派マンガ家なのだ。そして、鬼畜ロマン文学エロ学派の頂点に立ち、「エロマンガ」界の中央突破を企てるリベラリストの一人である。新刊が出たらすぐさま買い、繰り返し読む唯一の作家だ。町田ひらくの描く少女及び男は、何かを呪って生きていることが多い。 「少年…/世界で一番みじめな憎まれ者よ/正義を行おうとする者は/どこで何から正義を学んだ/テキスト読んで/習った正義か/臓腑をえぐられ/勝ち得た正義か/ああ/手招きしてる/カンパネラがいる/あそこはやっぱり/石炭袋/なのかなァ」。 ★★★★★[一水社]




#20(水)

◆夕方起きる。大学の図書館へ新聞を閲覧に。『図書新聞』だか『週間読書人』だかで上野俊哉が、阿部和重『インディビジュアル・プロジェクション』の書評にかこつけて宮台真司を批判してるのにニヤリとし(あからさまに実名を挙げていないが、誰が読んでも宮台のことだと判る)、岩波新書で出た『マックス・ヴェーバー入門』とハヤカワのSFを二冊ほど借りて、古本ショップへいくと、丁度『インディビジュアル…』が売ってたので買う。新刊で買わんで良かった。新刊で買ってしまった本を古本屋で見付けたりするとスゲー腹立つ。万年貧乏だからか、ははは。あとスージィ城倉『砂漠の野球部(1)』、小関智弘『町工場の磁界』、柴田元幸『愛の見切り発車』(最近バーセルミを読み返しているのと、あとタイトルが秀逸だったので)買う。買ってばかりで読む暇がないのだが。こんな誰も読まないような日記書いてないで読んだほうがいいのだが。

よしもとよしとも『青い車』。 『マイナス・ゼロ』という題名は広瀬正の小説からとったのだろうか? ここにも書いたが、1996年を代表する傑作。★★★★★[イースト・プレス]

グレイス石川『玉蘭』。 セーラーマニアは必読。尺八勝負を繰り広げる「日本の心」がバカで良い。★★★[白夜書房]

井上三太『魂列車』。 猿人間で歌が上手いという主人公の属性が十分発揮されず、物語も展開しないまま未完。しかし、これを続けていってもおもしろくなったとは思えない。根本敬との対談は良い。★★★[洋泉社]

唐沢なをき『カスミ伝S』。 実験はおもしろいのだけれど、肝心のマンガがおもしろくない。一回ぐらいしか笑えなかった。しかし、果敢にメタマンガに挑戦する姿勢は素晴らしい。★★★★[アスキー]

『月刊ヒット曲』。 「おれ」か「ぼく」かというのはオイラの追求している問題なので、大変役に立った。こういう高度なヒット曲談義を本にするというのは、いままでありそうでなかった。★★★★★[ヒット曲研究会TEL092-521-0570]

スージィ城倉『砂漠の野球部(1)』。 まだプロローグ。★★★[小学館]

スージィ城倉『U・Gメジャー(1)』。 『アストロ球団』にインスパイアされて描いただけあって、素晴らしく馬鹿馬鹿しい野球勝負が繰り広げられている。欠点は『アストロ』と違って、狙ってやってるのが分かってしまうということだが、まぁ現代においてそれを逃れるのは容易ではないから、仕方がないだろう。★★★★★[講談社]

阿部和重『インディビジュアル・プロジェクション』。 例えば上野俊哉は「村上龍・春樹から阿部和重」などとベタ誉めだし、渡辺直己も阿部和重を持ち上げている。阿部和重を貶した文章というのは今のところないように思う。だけれども、オイラは『インディ…』のどこが良いのか分からない。とってつけたような渋谷の固有名詞は鼻につく。そいでちょいとメタフィクションっぽい味付けでさ、それが中途半端でヤダ。それに、登場人物の名前がカタカナっていうのは嫌いなんだよ。あと、蓮見系の人って信用できなそうでキライなの。★★★[新潮社]




#19(火)

◆荻窪駅から杉並公会堂へ。『ゆきゆきて神軍』上映及び奥崎謙三講演会。のはずだったが、奥崎出所日が20日と判明したということで中止。なんじゃそりゃ。『神軍新聞』をもらって、荻窪駅周辺を散歩し、中野へ。サンモールの屋根がなかった。

◆『同時代としての女性短歌』、佐藤洋二郎『夢の扉』、渡辺直己『HELLO GODD-BYE 筒井康隆』、J・リリーヴェルド『お前の影を消せ』、全て百円。まんだらけで、よしもとよしとも『青い車』、グレイス石川『玉蘭』、唐沢なをき『カスミ伝S』、コージィ城倉『U・Gメジャー(1)』その他。

◆新宿、模索社で、『月刊ヒット曲創刊号』、『P・G no.38』、『アナキズム総合季刊誌Revolt vol.1』(これからはアナーキズムの時代だぜ、いや、なんとなくね)、荒木スミシ『シンプルライフ・シンドローム』。歩き回って疲れた。最近、すぐ腰に来る。まだ21だぜそれにしても。

寿と新宿のコンサート・ルポを一応書き上げるあがた森魚『乙女の儚夢』を繰り返し聞きながら。いいねぇ。それにしても、オイラ21才なのに、あがた森魚とかプロコム・ハルムとか古いのばっかり聞いてるよな。いかんなぁ。




#18(月)

◆なんにも予定なし。ほんっっっっっとに、することないや。夕方、突然思い立ち、国道一号線を自転車で川崎方面へ散策。結局、川崎には辿り着けず、鶴見駅で引き返す。

◆『ホットミルクno.168』(ナオコの短篇がめちゃくちゃ良い)、ならやたかし『ケンペーくん』、冬野さほ『ポケットの中の君』、中森ばぎな『エンドレス・チャイルド』、永野のりこ『もぐっこモグタンvs.魔じょっ子ソンソン』、川原由美子『観用少女(3)』、『GON』二冊収穫。

ならやたかし『ケンペーくん』。 現代に憲兵を出現させるアイデアはおもしろいが、マンガ作品としてはつまらない。『GON』で連載していた文章のほうがマンガよりも良かった。こういうのはブロンソンズくらい上手くやらないとおもしろくならない。ヒロインの絵は懐かしい感じで好きだけれど。こういう絵のマンガひさびさに読んだなぁ。★★★[ジャパンミックス]

安藤昇『やくざと抗争〜餓狼篇』。 赤裸々に語る衝撃の自叙伝小説。かっこいい。安藤昇(出演作じゃなくて)監督の映画 も傑作なので必見です。★★★★★[徳間書店]




#17(日)

◆新宿夏祭り。出演・朝日堂、The charge、カラス東風楽団、朴保バンド、とろん&きらきら、花木久実&酒井敦、SOCIAL CRIME、大友良英プロジェクトwith武盾一郎、A-MUSIK、シーサーズ、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット。寿と合わせたルポ、こっち

◆ディスクユニオンで、『Keiji Haino/Loren MazzaCane Connors vol.2』。買物していたらソウルフラワーの前半を聞き逃した。昨日も聴いたのだが、「インターナショナル」は何回聴いても感動するな。ボーカル中川敬曰く「これは政治的な歌ではなく、人間の歌だ」。




#16(土)

◆寿町フリーコンサート。出演・渋さ知らず、カラス東風楽団、ケムマキ、東京ビビンバクラブ、寿、渚ようこ、ソウル・フラワー・モノノケ・サミット。カラス東風楽団とソウル・フラワーが一番盛り上がった。この日だけはカメラ解禁状態で、八ミリやビデオやカメラが目立った。




#2−15

◆帰省する。温泉へいく。

◆以下帰省中に買った本。エリファス・レヴィ『高等魔術の教理と祭儀』、ジャン・ブラン『ストア哲学』、H・キャリッシャー『クィニー』、 清水玲子『天使たちの進化論』、由貴香織里『天使禁猟区(1)』、『日本文学全集 葛西善蔵・嘉村礒多』、ポール・オースター『孤独の発明』、北原童夢『フェティシズムの修辞学』、メルヴィン・バージェス『メイの天使』、『Sale2 NO.37 苦痛と快楽』、モラヴィア『女性諸君』、内田善美『空の色ににている』『ひぐらしの森』、作者不詳『吾輩は蚤である』、桑原啓善『アオミサスロキシン』、斎藤康子『雀色時』、島村洋子『好きで、たまらない』、夢枕獏『倒れて本望』。

◆以下買ったCD。タモリ『タモリ2』、OST『トラフィック ぼくの伯父さん交通大戦争』、OST『ジプシーのとき』、SWAY『チャイム』。

◆以下借りて聴いたCD。カリン『ティーン・トニック』、カーネーション『ガールフレンド・アーミー』、福間未紗『モールス』、アレア『革命と栄光』、菊地雅章『love song』、小沢健二『ライフ』。

◆以下、買ったり借りたりして読んだもの。↓ ◆尾上龍太郎『新世界ブラッド・ストリート』。 パチンコやりたくなった。★★★★[白夜書房]

高野文子『棒がいっぽん』。 ★★★★★★[マガジンハウス]

岩館真理子『うちのママが言うことには(2)』。 ★★★[集英社]

本間洋平『家族ゲーム』。 ★★★★★[集英社]

大暮維人『エンジンルーム』。 [コアマガジン]

朝倉世界一『幸福の毛』。下品でおちゃらけているが、文学性を感じる。 ★★★★★[JICC]

玉置勉強『ポルノ畑でつかまえて』玉置勉強はいつか化ける。 ★★★★[一水社]

諏訪緑『紀信』。 ★★★★[小学館]

清原なつの『ワンダフル・ライフ(1)』。 ★★★★[集英社]

岡崎京子『エンド・オブ・ザ・ワールド』。カットアップの技術としては最高峰だと思うが。 ★★★★★[祥伝社]

馬並平『ポジティブ・パートナー』。 ★★★

東陽片岡『やらかい漫画』。 全くすばらしい。★★★★★[青林堂]

『ドクター秩父山(1)』。 ああ、ばかばかしい。★★★★

『つげ義春全集(2)~(8)』。 一日で一気に読んだらクラクラした。貧乏青春群像ものと初期のものが良かった。暗そうで明るいものが多い。★★★★★[筑摩書房]

岡崎京子『カトゥーン』。 ★★★[角川書店]

萩尾望都『メッシュ(1)〜(6)』。 ★★★★

平井正治『声声無縁〜日本資本主義残酷史』。これは必読ですよ。つげ忠男が好きな人とか特に。 ★★★★★[藤原書店]

馬場靖雄『社会学のおしえ』。 「社会学は自分からは何かを建設することのない、ひたすら破壊的な学問分野なのではないか」。 という言葉に代表される著者のスタンスは好きだ。だが社会システム論はつまらんし、同じ入門書である、バーバー『社会学への招待』などと比べると、内容が薄すぎる。オタッキーな記述に惹かれて手に取った読者が、何かの驚き、例えば自らのパラダイムの逆転を得られるとは思えない。すらすら読むことが出来すぎるというのも問題だなぁ。入門書の難しいところだ。つまずかないと考えないし、かといってつまずいた時点で放りだされるかもしれない。★★★[ナカニシヤ出版]

天童荒太『家族狩り』。 ★★★★[新潮社]

笙野頼子『母の発達』。 ★★★★★[河出書房新社]

別役実『風の研究』。 ★★★★★[三一書房]

佐野史郎『ふたりの秘密』。 ★★★★[新潮社]

黒田硫黄『大日本天狗党絵詞(1)』。すげえ才能だが、今のマンガ界で居場所があるのだろうか。 ★★★★★[講談社]

日高ともきち『さぼんどーる』。 ★★★[講談社]

ドナルド・バーセルミ『city life』。 なぜか表題作が一番つまらなかった。あとは最高。★★★★★[白水社]

ささやななえ『凍りついた瞳』。 これだけ児童虐待があるのに、いまだに母性神話がはこびるのは不思議だなぁ。それにしても、暗い気分になるなぁ。★★★★★





6/1997||9/1997


ISHIHARA, Shingo
shingoo@lily.sannet.ne.jp