◆バイト代とりあえず15万円仮払いでもらう。打ち上げ。どうも苦手だ。ごちそうを前にしても、エチオピアの子供はこんなの一生食べれないんだろうなぁなんて考えてうしろめたくなってしまう。われながらアホである。のれない。演技をしなければならないことは分かっているんだけれど。「クールなんだか暗いんだかわかんないね」と言われる。オイラはバイト先々で人格を変えているのだ。今回はクールに決めた筈だったのだが、失敗したらしい。エロ話にも加わらなかったのに。ブルーフィルムはなんでブルーなのかという話題になったときも、前に『えろちか』で読んでその訳を知っていたにもかかわらず、しゃべるのを我慢してクールを演じたのに。それにしても『えろちか』をバラで集めはじめたのは失敗だった。あーいうのは揃いで買ってしまったほうが安い。
◆バイトつらいDEATH
◆『ウルトラネガティブ』発売されたらしい。でも、最近はグロいのはどうも飽きてきた。
◆ 最近の愛聴盤*
『シークエンス』オリジナルサウンドトラック(音楽・渡辺俊幸)。諸井誠『竹林奇譚』
◆家帰ってきてコンビニ弁当食べて、うだうだ『セブン 創刊号』を読んでたらいつのまにか12時半。あわてて桜木町へ。横浜美術館へ寺山修司の実験映画を観にいくが、会場満杯で立ち見もできないとのこと。会場内のスクリーンを映しているのをロビーで観るのならタダでいいというのでロビーで観る。そのうちロビーにも人がけっこう集まってきた。実験映画ってそんなに人気あるのか?
◆ みなとみらいに来るのは大学の入学式以来だ。いつも反対側の野毛とか伊勢佐木町しかいかないから。せっかくだから映画の帰りに、ランドマークタワーを見て回るが、いわゆるおしゃれな店が羅列しているだけでつまらない。野毛あたりなら、いい顔のオヤジが酔っ払ってニヤニヤ笑いながらふらついてたり、今にも死にそうなオヤジが歩いてたりしておもしろいのだが。桜木町駅を挟んで、一方は近未来都市、一方は雑多な猥褻飲み屋ドヤ街と化している。
◆岩本隆雄『星虫』、新川和江 編『愛の詩集』。それぞれ百円で。
◆バイト終わって、渋谷へ出てまんだらけで、玄田生『天使の暴走』を買う。
◆バカが線路に下りたとかで山手線遅れ、池袋に着くのが遅れた。おかげでACT-SEIGEIに着いたときには行列の最後部になってしまった。くそぉ。人の迷惑も考えろ!! 映画の前にタワーレコードにも寄ろうと思ってたのに。で、オールナイトへ突入。
◆寝過ごす。めんどくさいのでバイト休む。
◆古本ショップで、『漫画ホットミルク 11月号』(250円)と、アニメージュ文庫の『話の話』(100円)を買う。高畑勲の解説を読む前に、『話の話』をひさびさに観かえそうかと思ったが、ダビングしたビデオを引っ越しの時どこにしまったか忘れた。初めて観たのは中学と高校の境目あたりの時期だっただろうか。日本のアニメーションとはまったく異質で驚いたのだった。
◆『ホットミルク11月号』はやっぱり町田ひらくのカラーの短篇が一番いい。叙情的な緑に色鉛筆のタッチが切なく映える。あとは、りえちゃん14歳は相変わらず美少女に命かけてるし、しかも話もリドルストーリーになっていて凝っている。
◆バイトDEATH(T_T
◆ホントは亀有名画座へ佐野和宏監督特集を観にいく予定だったが起きられなかった。昨日は『エヴァ』も観ずに早く寝たのに。『エコエコアザラク』を見逃したのは悔しい。一回目からビデオ録画して観てたのに。佐伯日菜子の黒井ミサもいいが、演出と音楽もテレビドラマとしては異色の出来。これで原作にある黒井ミサのエロティックさが出ていれば完璧。
◆電車のなかでは、横山やすし『あんたも一度狂ってみな』を少し読む。あのしゃべくりそのまんまの文体ということは聞き書きなのだろうかなどと思いつつ、『動くな死ね甦れ』その他三本立てを観るため池袋へ出るが、最終上映開始時間に間に合わなかった。途中から観るのは生理的に嫌なので、映画観るのはやめて、レコファンでピエロ・ピッチオーニのサントラ『La Vita Agra, La Fuga』(音楽はめちゃくちゃいいのに録音が悪いのか音が遠い。480円)と、MacGarin Ensemble『The Floating world』(浮世絵のジャケットにひかれて買ったが、中身は懐かしのシンセ音楽って感じでつまらんかった。480円)を買う。
◆『ユメノ銀河』の写真展をやってるらしいので、渋谷のパルコへ行くが、やってなかった。そういえば今売りの『プレイボーイ』の巻頭グラビアは小嶺麗奈だ。
◆タワーレコードで『ELECTRONIC MUSIC FESTIVAL』、TAMARU『MEIOUSEI』を買う。『musee』をもらう。渋谷のタワレコでさえも、映画音楽のコーナーにジョルジュ・ドルリューという分類がない。ジョルジュ・ドルリューというのはメジャーなのだと思っていたが、もしかしてマイナーな映画音楽家なのだろうか。
◆横浜駅のホームでひさびさにルーソーじゃない女子高生を見た。新鮮。
◆ バイト先の川崎化成のまわりはいかにも工業地帯の風景。煙突からは煙がもうもうと出ている。海岸に積まれたカラフルなドラム缶。たくさんの工場。迷路のようなパイプ。海へと続くコンクリートの道。人工的で美しい風景だ。
◆ 河崎実監督の『メスパイ』はかなりイッてる。さすが『イコちゃん』の監督だけのことはある。
◆フジ『恋の恋愛方程式』。ひと昔というかふた昔まえの少女マンガのような話のドラマ。広末涼子の魅力にかなり助けられている。というか広末のためのドラマ。世界は彼女のためにあるのだから当然だね。広末涼子主演のドラマの中では『魔法のキモチ』がイチバンだけれど、それに次ぐ秀作。表情の演技が上手い。音楽はちょっとしつこすぎ。
◆バイト帰り美容院で髪切って、古本屋で志水辰夫『いまひとたびの』(100円)、坂田靖子『アモンとアスラエール』(古い彼女の本でまだ買ってないのがあったとはね。100円)、アルベルト・モラヴィア『眠くて死にそうな勇敢な消防士』(モラヴィアもそうだが千種堅の訳すものには外れが少ない。200円)、『恐怖の館DX 2月号』(スゴイんすから山咲トオル。よく考えたら『恐怖の館DX』は凄いよ。なんてったって神田森莉や山咲トオルや児嶋都や犬木加奈子が連載してるんだから。大槻ケンヂ原作のマンガもあるし心霊写真鑑定もある。一番おもしろい月刊マンガ誌なんじゃないか。キテる。しかも女の子は雑誌をとっとかないから将来価値が出るかもしれない。山咲トオルはなぜか秋元康プロデュースでCDデビュー。やっぱ変だ。250円)、一じょう裕子『わさび 第1集』(500円)、マルタ・オレゾン『性の神秘』(高橋鐵とかこの手の本の装幀はシンプルでかっちょ良くて好き。100円)を買う。
◆『メガレンジャー』を見逃したのが残念。先週で『カーレンジャー』は終わってしまったのだった。悲しい。4月のビデオ化を待とうではないか。
◆森本みうはかわいい。
◆ 最近の愛聴盤。太田裕美『短編集』(大好きなんよこのアルバム。そういえば東中野BOXで見たなにわ天閣特集の予告編で「赤いハイヒール」が使われててうれしかった。)。スピッツ『空の飛び方』(これが発売されたときはまだ今ほどブレイクしてなかった。その当時買ったのだが、いままで全曲通して聴いたことなかった。最近ラジオで「ヘチマの歌」を聴いてはまってる。)
◆相変わらずバイトだ。
◆ 小室哲哉の『FACE』はなかなかいいかも。少なくとも今までのgloveのシングルの中では一番いい。gloveにおける歌詞は抽象的なものばかりでつまらなかったが、この曲のサビは映像的だ。gloveはその名前からして普遍性を目指しているのだろう。普遍性を求めるには抽象的なのが一番ラクだ。しかし抽象的な歌詞はおもしろくない。年代などの具体的はものはアムロなどの楽曲でアプローチしているが、オイラはそっちのほうが好きだ。 「玄関のドアをひとりで開けよう」の、「玄関」という単語は日本的だ。こういうのが小室哲哉の歌詞の特徴の一つ。ユーミンならば使わない単語だろう。実は小室哲哉は孤独な闘いをしている。例えばスピッツの曲ならば誰でも「いいね」と言えるだろうが、小室哲哉になると屈折した感情が働いて、素直にそう言えない人が多いのではないか? 特に男は。それにしてもマーク・パンサーって何だよ? 必要ないんじゃないの? サンバルカンかおまえは。♪イーグル・シャーク・パンサー♪
◆ ラジオを聞きながら仕事をしている。とうぜん今日はバレンタイン関係多し。イブでこれだから明日はバレンタイン一色のプログラムだろう。なんだかなぁ。
◆ 川崎の古本屋で、北村想『ザ・シェルター』、木島始『はたちすぎ』をそれぞれ百円で買う今日この頃。足が痛い。愛が欲しい。それより金が欲しい。猫が欲しい。女子高生の手が欲しい。森高の手は別に欲しくない。欲しいものが欲しい。欲しくないものが欲しいくらいに欲しい。
◆ゴミ捨て場で紙袋四つ分の本を拾う。いままで手を出していなかった清水義範がたくさんあったのでラッキー。あと麻原の著書もたくさんあっておもしろそう。渋いところでは笹野頼子があった。笹野頼子が芥川賞をとったとき、三浦俊彦も『これは餡パンではない』で候補にあがっていたのだ。あとときは本命が笹野頼子で大穴が三浦俊彦だと思っていたが、結局本命が受賞した。大穴を出さないところが芥川賞のつまらんとこだ。そういえば今年の芥川・直木賞は誰だったんだろう。知らない。まぁいいや。大体、直木賞の直木が直木三十五の直木だということを知ってる人自体少ないだろう。もう形骸化しているのだ。賞金だって高くないし。新潮のファンタジーノベル大賞とか角川のホラー大賞を受賞するほうがよっぽどいい。
◆ バイトでJ-WAVEをかけながら仕事してるのだが、聴いてるといらいらするのでなるべく無視する。J-WAVEでかかるような曲に全く興味はないしいいとも思わない。
◆ 川崎で百円ショップを発見。とうぜん覗く。なかなかおもしろい。百円ショップにはそれぞれ特色があるのだが、ここは輸入菓子や国産菓子が置いてあるのが特色。今まで見たことないカップもあった。
◆ 『がんばらナイト』聞き逃す。
◆バイトがあるため6時に起きる。辛い。午後6時起きなら得意なんだけど。
◆川崎化成内のカワカ産業へ。信号のたびに揺れるんで、電車よりバスのほうが乗ってて疲れる。触媒交換のバイト。時給千三百円。楽といえば楽。健康診断で肺活量測ったら約4000だった。
◆バイト終わって、大通りにある、レジが風呂屋の番台のように高い古本屋で、『悲しい日記』(例の母子餓死事件の母親の日記。100円)、ラバータ・ラッセル+R・D・レイン『愛のレッスン』(これは『チワワちゃん』にレインをテクストにしたマンガがあったので買った。800円)、『しおかぜの歌 第2集』(久里浜少年院の作文指導。100円)、『現代風俗'97 すてきな無駄つかい』(500円)、安彦麻理絵『メロドラマチック』(「ティック」じゃなくて「チック」ってとこがいいと思う昨今です。350円)を買う。 もう一軒の古本屋で、ブルトンの『ナジャ』が2版でぼろぼろなのにもかかわらず2000円で売ってて驚いた。この本、家にあったけどまさかプレミアついてるとは思わなかった。こんど帰ったら母親からもらって来よう。そして売ろうかななんて思ってる今日この頃です。
◆「革命は健康から」って何だよー。まったく全共闘の成れの果ては……。何も言うまい。そんなことどうでもいいと思う昨今です。
◆テレ東のドラマ『エコエコアザラク』を観て、『エヴァ』を観る。それからビデオ2本みたら朝になる。
◆ 『所さんの目がテン』を観て、またひとつおりこうになった。
◆ 中野への電車の中では、山田詠美『風葬の教室』をもう何回目だろう? 分からないが、再読。
◆ タコシェは店舗の場所が変わったのだった。『日曜研究家 第3&4号』『セブン 創刊号』(脳内麻薬中毒雑誌。すごいっす。エロ劇画、ジョージ秋山ロングインタビュー、作品リスト。感動した。この本は保存版。大きさ厚さは『危ない1号』と同じ。でもタイトルと裏腹に全然あぶなくないそれとは全く違う。素晴らしい。)、『PG no.6』(岸加奈子スペシャル号。表紙の写真がくぅー、いい。)、阿部幸弘『伊藤潤二 〜乱舞する首』(エキスパンド・ブックによるマンガ評論。マックなんて持ってないのにどうやって読むのだろー。ラプソディ出るまでパソコン買う予定もないし。なぜならWinはヤダし、かといってMacもNeXTに慣れてしまったオイラの目には田舎くさく見えるし動作が不安定すぎる。ラプソディに期待しよう。たのむぜJobs!!)、佐伯俊男のポストカードを買う。
◆谷岡ヤスジのトリビュート・アルバムが二月末日発売されるらしい。買わねば。ライブ行かねば。「尊敬する人は?」と問われたら、オイラは即座に「谷岡ヤスジです」と答えちまうぜ!! いかす!!
◆武蔵野ホールで園子温監督『桂子ですけど』見る。限定カレンダー、なかなか味な工夫があり気に入ったので予約する。
◆ 百円ショップを見ると必ず覗いてしまうのはなぜだろう? 中野サンモールの百円ショップはなかなかの品揃え。また使わないんだろうなぁという物ばかり買ってしまった。あれは百円ショップの魔力だ。あの棚に並んでいると、なんとなく便利な物に思えてしまう。それで余分なものばかり買ってしまう。目玉焼きを丸く焼ける型を昔買ったが、あんなの使ったの一回きりだ。よく考えたらマクドナルドじゃないんだから、別にちゃんとまん丸になんなくたっていいんだよ。でもあの店のなかでは「目玉焼きが丸く焼けるのか。いいなぁ」という幻覚症状が起こる。
◆ 亀有名画座へ。瀬々敬久監督特集を観る。
◆ 亀有駅近くの古本ショップ(ちなみにこの日記の記述では、古くからあるいわゆる古本屋っぽい店構えの店を「古本屋」とし、ブックオフのような店を「古本ショップ」とする。いま決めた)で、岡崎京子『チワワちゃん』、藤波俊彦『江戸前・あ・めーりかん 1&2巻』買う。この店は全体的に値段高し。『江戸前』が400円もした。
◆宗教関係の人に声をかけられる。「お買い物ですか?」と聞いてきたので、「映画。ピンク映画です」と答えた。
◆帰りの電車で『チワワちゃん』を読んで不覚にも涙する(ちょっちオーバー。いくらなんでも電車ん中で泣くわけない。)
◆NHKで、 フェルマーの定理を証明したアンドリュー・ワイルズについてのドキュメントを見る。
彼はいろいろな理論を組みあわせて証明していて、オリジナルな理論を考えたわけではないらしい。組みあわせ方がオリジナルだったのだ。いかに組み合わせるかがこれからの時代では重要になるだろう。リンク集のウェブページでも、その集めかたリンクの組み合わせかたにその人のセンスが問われる。
◆女性をターゲットに折原みととか赤川次郎原作のVシネマシリーズを作ればヒットするんじゃないだろうか。
◆ 久しぶりにフライパンで料理する。 バナナをバターで焼いてシナモンパダーぶっかけて牛乳かけて食べるとおいしいとある本に書いてあったので作る。バナナは焼いて食べるのが正しい食べ方だ。そのまま食べると体が冷える。そのことを知らないで、体を冷やしちゃいけない患者に朝からバナナと牛乳を与える馬鹿な病院があるらしい。これからは医者に頼るのではなく、自衛を考えなきゃいけないのかもしれない。
◆ 最近の愛聴盤。アンサンブル・エクレシア『イギリスの古いキャロル』(リュートと編曲のつのだたかしはつのだ☆ひろと兄弟だけれど、全然音楽性が違うのがおもしろい。兄貴はつのだじろうだし、変な兄弟だ。)
◆中野へ行ってまんだらけで、業田良家『自虐の詩 (上)』、松本大洋『鉄コン筋クリート 3』、倉多江美作品集1『ジョジョの詩』、井上三太『ぶんぶくちゃがま大魔王』、鳥図明児『夢庭園』、松井雪子『絶望ハンバーグ工場』、西炯子『三番町萩原屋の美人 6』、きら『まっすぐにいこう。 8』、伊藤潤二『首のない彫刻』と、乙一『夏と花火と私の死体』を買うがよく計算してみるとレジのねいちゃんが計算間違えたらしく(たぶん3冊200円の特価本を普通と同じく1冊150円としてしまったらしいので)損した。
◆中野武蔵野ホールで園子温監督『部屋』見る。
◆マクドナルドでテリタマバーガーを食す。テリヤキバーガーにタマゴを挾んだだけで新鮮味がない。中華のバーガーってあんまりないからエビチリバーガーとか作ればいいのに。
◆池袋へ行き銀行でお金をおろすと、おおらかな気分になる。
◆シネマ・セレサでヌーヴェルヴァーグ・ピンク特集を見る。シネマ・セレサは初めてだが、何だか味気ない映画館だなぁ。切符は自動販売機だし、おかしも自動販売機で売ってるし。人件費の節約にはなるんだろうけど。まぁ、入場料安いんだからいいけどね。次回のウォン・カーウァイの二本立ても観にいこうかなと思ったが、多分バイトがあるからダメだろうなぁ。
◆コンビニで夕食買ってゴミ捨て場でマンガと女性週刊誌拾って帰る。広末の載ってるヤンジャンも拾えたので、いい機だからたまりにたまった広末雑誌をファイリングして、残骸は捨てる。
◆近所の古本屋で、片岡義男『東京青年』、花くまゆうさく『野良人』買う。
◆四畳半のほうの部屋が、雑誌とかマンガや本で足の踏み場がなくなってしまったので、整理するためにカラーボックスを買う。螺子がきつくてなかなか入らなかったがなんとか組み立てる。で、整理したらすっきりした。いい感じ(C)puffy
◆電車の中ではサガンの『悲しみよこんにちは』を少し読んで、なんだかワカラナイなぁと思いつつ、亀有名画座へ。亀有駅前の本屋の品揃えが凄い。小さい面積なのに、膨大な雑誌やガロ系のマンガや悪趣味映画や「トゥ・ネガティブ」まで置いてある。ブロマイドや広末の下敷きもあった。
◆ 帰ったら、NTTドコモ埼玉からテレカが届いてたので、余ってた写真立てに飾る。
◆友人と後楽園へカーレンジャー・ショーを見に行く。12時からの回を見たのだが、整理券の番号が700番だったので遠くからしか見れなかった。果たしてゾンネットちゃんは本物の水谷リカ嬢だったのだろうか。整理券でよく分からんのは、おいらが700番で、その次にもらった友人が750番だったってことだ。なんで50番も間がひらくのか? 500円払ってカーレンジャーの5人(もちろん変身前の)と握手する。感激っす。でも握手のあと配られたサインが「カーレンジャー」というのは笑った。あれじゃ誰が書いたかわからない。相手が子供だからいいのかもしれないが。
◆あと後楽園でおもしろかったのはウメズかずおのおばけ屋敷かな。ゾンビパラダイスはつまらんかった。田舎者には、遊園地の周りがビル群というのも新鮮でした。ほら、田舎の遊園地って周りが山とかだから。
◆神田のビデオ屋を回って、佐野和宏監督の「性感極秘マッサージ全身愛撫」を買う。
◆ディスクユニオンで、とくに欲しいのはなかったけど、とりあえずサン・ラのCDを買う。なぜとりあえずでサン・ラなんだかは自分でも分からない。
◆新宿のあるビデオ屋に入ったら、「うちは裏しかないよ」と言われる。
◆今月の映画↓
◆2/26、中野武蔵野ホールにて、 『鎖陰』監・足立正生。 膣欠損症の女性を登場させているが、主題はそこにはない。足立正夫によると「愛とか希望とかいった人間性が形づくる自我観念の「可能性」の欺瞞を物を露すことによって暴露」するということだ。膣損失症を物として扱うというのは実際の膣欠損症患者に失礼ではないか。あざとい。膣損失症の女性とその恋人が一応主人公だが、実際は男性の描写に比重がおかれている。手術の失敗で女性が死ぬが、これを見た女性の観客はなんと思うだろう。この登場人物の女性は、男性の主人公をのために存在しているとしか思えない。それにしてもつまらない。観念やテーマなんて物語で包みまくれ。その包み方が上手いか下手かで映画の善し悪しは決まる。その点でこの映画は失敗している。例えばドキュメンタリー的にアプローチすればおもしろい題材なのに。まぁ1960年代の学生の自主映画だもんな。しょうがないよ。(ちなみに、今いちばん包み方が上手いのは青山真治や矢口史靖だろう)。よかったのは一柳慧の音楽だけだ。この音楽は現在でも十分通じる。まだひよっていない頃の一柳慧の音楽はバリバリ硬派だ。さすがである。この程度の映画制作でアウトローを自負できたというのはいい時代なのかもしれん。そういえば最近捕まった(強制送還だっけ?)という日本赤軍のメンバーに足立正夫の名前があった。★★★
◆2/23、横浜美術館にて映画上映「証言/寺山修司の実験映画。 『檻囚』'62。 『トマトケチャップ皇帝』'71。 『ジャンケン戦争』'71。 『蝶服記』'74。 『迷宮?・ル'75』。 『トーキーフィルム1,2』'74 監・かわなかのぶひろ。 『疱瘡?・ル'75』。 『マルドロールの歌』'77。 『檻囚』はその後の長編映画の要素がほとんどつまっている。都会人である寺山修司によって創造された幻想的でおどろおどろしい田舎の村。時計。ヤギ。『ジャンケン戦争』の途中から寝てしまった。かわなかのぶひろと萩原朔美による対談で出た寺山修司のエピソードはかなりおもしろかった。寺山修司は寺山修司を演技し続けた。だから青森弁も直さなかった。本当の自分を出すことを嫌った。『疱瘡?・戮如・ぞ紊離疋△妨・・辰篤ユ韻鬚気靴慎・愎佑・緻未鯤發い討い・里鬟蹈鵐阿濃・辰織掘璽鵑・・靴・辰拭・呂辰C蠅い辰討修離掘璽鵑阿蕕い靴・廚そ个擦覆い里世・」 ★★★
◆2/22、 ACT-SEIGEI・THEATERにてオールナイト、 『動くな、死ね、甦れ!』監・ヴィターリー・カネフフキー。 岩井俊二の『打ち上げ花火』を連想したりするような少女マンガ的な、男はガキで女は大人というような幼なじみの少年少女の淡い恋愛を描きつつも、岩井俊二ほど甘くはない。傑作!! 必見!! 外国映画にしては珍しく日本人の描写がちゃんとしている。★★★★★
◆『ぼくら、20世紀の子供たち』監・ヴィターリー・カネフスキー。 ★★★★
◆『ひとりで生きる』監・ヴィターリー・カネフスキー。 最後は神話的世界までいっている。瀬々敬久監督の「すけべてんこもり」(『End of the World』)に似ているのは瀬々監督がこれをパクッたということだろうか。 ★★★★★
◆『新ドイツ零年』監・J・R・ゴダール。 歴史を俯瞰する試みは分かる。所々いい映像もある。それにしても音楽の使い方があまりに進歩していないのでは。 ★★★
◆『万事快調』監・J・R・ゴダール。 ほとんど寝てた。これもやりたいことは分かるのだが、おもしろくない。
◆『勝手に逃げろ/人生』監・J・R・ゴダール。 完璧に寝てた。「勝手に寝てろ/人生」。ゴダールの映画は最初の5分か10分観れば、何をやろうとしてるのか分かってしまうからつまらない。そのうえ物語がないから寝てしまう。バイトで疲れてるうえに前の日4時間しか寝ていなかったのもあるが、オールナイトで寝てしまったのは初めてだ。哲学的というにはあまりに浅い言葉遊びと引用の羅列はつまらなくはないが退屈だ。商業映画を降りた時点で、ゴダールは映画のプロフェッショナルになることを拒否したのだろう。そういうのはオイラは嫌いだ。
◆2/10、中野武蔵野ホールにて、『桂子ですけど』監・園子温。 『部屋』の方が好きだが、「こんにちは、さようなら」と言いながら歩く長まわしのシーンが良かった。★★★★
◆亀有名画座にて『俺たちゃ二十一世紀の糞ガキタチ』「牝臭・とろける花芯」監・瀬々敬久 。 2回目。 松本大洋の『鉄コン筋クリート』を題材にしているらしい。『鉄コン筋クリート』をまだ読んでいないのでよく分からないが。今までの瀬々作品の中でも特筆して美しい画面の色。「ピンク映画」としては失格かもしれないが、「映画」としては素晴らしい。「神」を出すところが瀬々作品の特色だが、少々うざったく感じるのも事実だ。★★★★
◆『坊さんが屁こいた』「未亡人 初七日の悶え」監・瀬々敬久 。 大震災を伏線とした、善悪入り乱れた娯楽作品。ラスト近くの対決シーンは「課外授業・暴行」(『羽田へ行ってみろ そこには海賊になったガキどもがいまやと出発を待っている』)を思わせる。その、手持ちカメラの臨迫感。「課外授業・暴行」のラストは今でも目に焼きついている。あれを有楽町で見ていなかったらと思うとぞっとする。 ★★★★
◆『現代群盗伝』「未亡人 喪服の悶え」監・瀬々敬久 。 秩父困民党を現代に出現させるという強引な力業をやっているのだが、違和感がない。金をかけなくともおもしろい映画は撮れるということ。葉月蛍からにじみでている純粋さ。瀬々監督の持つ共同体志向に胸をうたれた。最近見た映画のなかでイチバン泣けた。 ★★★★★
◆『ビフォア・ザ・レイン』監・ミルチョ・マンチェフスキー。 ラストで主人公が幼なじみに殺されても、二人の少年時代が描かれてないからあんまり悲しくない。3構成なのだが時間経過がよくわからない。ラストと始まりが繋がるのは分かるが、そうなると時間経過的に矛盾するところがある。意図的に矛盾点を作ってメビウスの輪を作ろうとしてるのかもしれないが。2部は1部の続きであ、?1部の前なのだろうか。わからんちん。 手塚治テ?の『アドルフに告ぐ』を映画化すればいいのになぁ。演劇にはなってるけど。 ★★★★
◆『えりかちゃん』出・榎本加奈子。 同じ原作で、佐藤寿保監督が夢野史郎脚本で撮ればもっとハードになりそうだ。憑依性人格転移なんていかにも佐藤監督にぴったりだ。刑事とゆりかちゃんのラブストーリーをもっと大きく扱えばおもしろくなっただろう。榎本加奈子のための映画なのだからもっと彼女のアップを多くしてほしい。そういえば『聖龍伝説』も彼女のためのドラマだった。あのくるくるお嬢様ヘアースタイル。彼女のドキュメンタリーを作るべきだ。アイドル榎本加奈子を演じる榎本加奈子。彼女はアイドルという偶像を故意におもしろがって破壊しようとしている。処女なんかとっくに捨てたとか公言してるし。それでもアイドルとして成り立っているというのが凄いところだ。メタ・アイドルなのだ。(ホントか?) アナーキー・アイドルなのだ。(これは確かだ) ★★★
◆2/7、中野武蔵野ホールにて、『部屋』監・園子温。 麿赤児扮する殺し屋が洞口依子扮する不動産屋と共に部屋探しをする。官能的な長回しによって白黒の画面にすいこまれる。後を牽く映画。永遠に見続けていたい映画。音楽はさすが『1987 1990』の岡野弘幹 だけあってクオリティが高い。 四畳半、トイレ共同で三万五千円という汚い部屋が出てきた。それに比べたら、六畳と四畳半の部屋があってトイレ付きで倉庫らしき部屋まであるので、いま住んでるとこはいいほうだなと思った。「個的な幻覚を誘発する何かがこの映画にはあった」(石井聰互)。見ている間、洞口依子を初めて見たのはいつだったろうと思い出していたのだが結局いまでも思い出せない。『ドラキュラ娘……』だったか、篠山紀信の写真だったか。何かのテレビだったかもしれない。確か高校一年の頃、彼女を初めて見て好きになった。 ★★★★★
◆池袋シネマ・セレサにて、 『視線上のアリア』「浮気妻 恥辱責め」監・佐藤寿保。 複雑な構成。鮮やかなどんでん返し。お互いハンディカムで絡み合うシーンが印象に残る。端的に言うと、都市とディスコミニケーションが佐藤寿保作品のテーマ。髪の短い伊藤清美嬢も良い。★★★★
◆『ジェラシー』「若妻 しとやかな卑猥」監・佐野和宏。 岸加奈子嬢の熱演に尽きる。冒頭のガラス越しの彼女はめちゃ美しいし、佐野和宏扮する脚本家と喧嘩して別れるシーンは見ててホント悲しかったし、特に電話で「おれたち終わったんだよ」と言われて絶叫するシーンは彼女の姿は映らないで電話ごしの絶叫のみなのだが、泣けてきた。これは観客が彼女に感情移入できるからなのだろうと考えたとき、そういえば佐藤寿保作品ではあんまりそういう感情移入は発生しにくい、それは観客に対して拒絶しているというか厳しいからなのだが、そこがいいのかもしれない、それなら、観客とコミニケーションしたいというのは佐野監督も佐藤監督も同じなのだが、前者はストレートで後者はある種屈折しているなぁ、佐野監督はロマン主義だななどと思いつつ八ミリに映る岸加奈子嬢の姿をオイラは涙ながらに見ていたのでした。惜しいのは、えせフランシス・レイのような音楽。もっとピアノだけとかストリングスだけとかにしてほしかった。 ★★★★★
◆トークショーが約一時間程。瀬々監督が、女の裸の即物性を強調していたのが印象に残る。それと、「牝臭・とろける花芯」(『俺たちゃ二十一世紀の糞ガキたち』)について堂々と「松本大洋のマンガのパクリで……」と言ってしまうところが偉い。岩井俊二も見習って欲しいもんだ。だいたい何かの影響なしに表現することなんてもはや出来るわけないんだから。瀬々監督もとうとう一般映画に進出!! タイトルは『こっくり』(だっけ?) サトウトシキ監督の『ザ・投稿ビデオ』に描かれているのは実像ではなく全て想像だそうだ。
◆『不倫日記』「不倫日記 濡れたままもう一度」監・サトウトシキ。 二回目。E-toneの音楽が素晴らしい。葉月蛍嬢は浮き世離れした雰囲気があるので、幽霊役にも違和感がない。ラスト近くの、二人が電車にあらわれる前の無人の席を撮ったカットがとても好きだ。とても一時間で語られているとは思えないほど饒舌な物語。だいたいピンク映画というのは一時間と一般映画よりかなり短いが、一般映画以上の物語を含んでいる。 ★★★★★
◆『End of The World』「すけべてんこもり」監・瀬々敬久。 これも二回目。河名麻衣と川瀬陽太の存在感と演技が素晴らしい。ラスト、川瀬陽太が観客に「おれたちは何のために生まれたんだ? 何のために生きてんだ? どうして死んでいくんだ?」と語りかけるのだが、こんなことを恥ずかしげもなく語りかけられるというのが凄い。忘れていなければ生きていけないようなことを、あえて観客に語りかける。
劇場公開処女作の「課外授業・暴行」(原題『羽田へいってみろ そこには海賊になったガキどもが今やと出発を待っている』)では登場人物皆殺しで絶望的な終わりだったが、最近の作品では、確かにラスト登場人物は死ぬが、その終わりから始めるという再生感がある。『エヴァンゲリオン』の劇場版予告編風に言うなら「Death and Rebirth」だ。「すけべてんこもり」は物語性うんぬんをつき抜けてるという点では『エヴァ』と似てるのかもしれない。終末感という点でもそうかも知れない。三宅島の風景はまさに異世界。瀬々監督は風景派監督だ。 ★★★★★
◆2/4、亀有名画座にて、 『風俗天国 ホテトル湿地帯』監・出馬康成。 ホテトル嬢とダンサー志望青年の純愛物語。途中からしか見れなかったので、もう一回見たい。「どうしてわたしのこと好きになったの?」「思ったより嘘つきじゃなかったから」ってのは名台詞。★★★★★
◆『巨乳 はさんで啣える』監・国沢実。 試合前になると主人公のボクサー21歳はどこかへ逃げる。<こ八郎のそっくりさんのイカ八郎がおもろかった。飄々とした登場人物がかなりいい感じ。★★★★★
◆『女医の指 ONANIE盗み撮り』。 ★★
◆『Helpless』監・青山真治。 この音楽!! こういう感じはピアノじゃ出せない。ギター弾きたくなった。弾けないけどさ。物語が完結してないとこがいい。光の色もいい。 ★★★★★
◆『南瓜の味』「性感極秘マッサージ全身愛撫」監・佐野和宏。 親父が上京して子供に会うという小津チックな話。岸加奈子嬢がいい味出してます。「日本人はみんなオカマだ。日教組ばんざい」。★★★★★
◆『宇宙の法則』監・井筒和幸。 古尾谷雅人の演技が素晴らしい。近親相姦的な危ない匂いを含んだ横山めぐみの演技も素晴らしい。長塚京三も柄本明も良い。 ★★★★★
◆今月のマンガ↓
◆伊藤潤二『首のない彫刻』。サーカスには人を惑わす不思議な力があるのかもしれない。★★★
◆『セブン 創刊号』。 特集 クレイジー漫画脳天逆落とし寺(超人願望編)「往年のエロ劇画、地獄からの復活! 「コロコロ」ジャリマンガ、こんなに馬鹿でいいのか! そして史上初! ”魂のふるさと”ジョージ秋山全作品リスト&直撃インタビュー、そして未単行本化作品「告白」完全収録! 戦慄のクレイジー漫画ドトーの快進撃だァ!」以上、表紙のあおり文句より引用。素晴らしいっす。編集の人が21歳でオイラと同じ年令。やられたと思った。とうとう同世代の同じマンガ体験が同世代のコトバで語られはじめた。『ジャンプ』で連載されていたジョージ秋山『海人ゴンズイ』は妙にひっかかる漫画だった。小学生ながらジョージのかもしだす何か影の部分・危なさを感じとっていたのだろう。昔から変なものにはひかれていた。中学の音楽の時間に教師が「演奏しない曲がある」とジョン・ケージの「4分33秒」について話した、というか独り言のように言ったのだが、それが妙に気に掛かった。それが現代音楽を聴きはじめたきっかけで、そして今でも現代音楽を聴き続けている。教師の言葉は教室中の生徒が聞いたわけだが、それにひっかかったのは多分オイラだけだっただろう。「海人ゴンズイ」にひっかかったのも少数だろう(読者アンケートで最悪だったそうだ)。しかしオイラはそういうものにひっかかる自分の感性を信じている。 『コロコロ』は毎月買っていた。『ゴリポン君』の下品さはもっと評価されるべきだ。復刻希望。いま思うと荒唐無稽なラジコン対決マンガやチョロQ対決マンガを真面目に読んでいたのだから不思議だ。 ★★★★★
◆鳥図明児『夢庭園』。 鳥図明児の描く人物の絵はほかの少女マンガ家と比べるとかなり異質で、内容も異世界の話なので入りにくいことは確かだ。とここまで書いて先が続かないので、いま手元にある彼女のマンガを読み返していくことにする。といっても『銀の爪はさみしく』しかないが。ほとんど実家に置いてきてしまった。ちなみに『夢庭園』の解説は、『夢見る惑星』『ワンゼロ』が文庫化された佐藤史生。(文庫ブームのおかげで『夢見る惑星』や永井豪『おもらいくん』や業田良家『自虐の詩』や坂口尚『石の花』やジョージ秋山『デロリンマン』が簡単に読めるのだから感謝するべきか。) ★★★★
◆鳥図明児『銀の爪はさみしく』。 人物の目が特徴的。始まりがあって終わりがあるというような物語ではなく、ある世界のある場面を抽象したような物語。一時期はやったアメリカの短篇小説のファンタジー版といえなくもない。あとがきマンガで鳥図明児の子供の名前が「Tsukioh」とあったが、漢字だと「月王」と書くのだろうか。いい名前だ。 ★★★★
◆松井雪子『絶望ハンバーグ工場』。 絵がかわいい。しかし内容は甘くはない。『女の子ポコポン』は女の子の描くセックスという内田春菊系統のマンガだったが、松井雪子は内田春菊とは違った方向に進んでいる。よく見直して見れば、内田春菊の身の捨て方と、松井雪子のそれは全く違ったものだったのだ。不思議なレトロ感があって、たとえばあがた森魚でもかけながら読むといい感じかもしれない。『マヨネーズ姫』もそうだが、彼女独特の世界が構築されていて素晴らしい。絵が好きだ。 ★★★★
◆岡崎京子『チワワちゃん』。 刹那的な生活を送っているが、それを若さによる一時的な刹那さだと客観的に自覚しているのが岡崎京子の描く登場人物の特徴だろう。自分もいつか年を取って老いていくのだということ。効果的な見開き。「チョコレートマーブルちゃん」は傑作。よしもとよしとも『青い車』と並んで1996年のマンガのベスト。「おはよう。こんにちは」。 ★★★★★
◆町田ひらく『きんしされたあそび』。 偶然『アリスの城』を拾わなければ、町田ひらくのマンガも夕凪薫のマンガも江戸川童児のマンガも知らずに通りすぎていたかもしれない。それは恐ろしいことだよ。★★★★★
◆藤波俊彦『江戸前あ・めりかん』。 めちゃくちゃおもろい。なぜたった2巻で連載が終わってしまったのか理解に苦しむ。いま『SPA』に連載中のキャバクラ漫画もめちゃくちゃおもしろい。 ★★★★★
◆今月の本↓
◆新川和江 編『愛の詩集』。 結局オイラ、ロマン派だから。グールドと同じで。 ★★★★
◆レイモン・クノー『文体練習』。 同じ場面を99通りに記述した実験的作品。「女子高生」や「いんちき関西弁」などは訳者オリジナル。偉い。『マルクス・ラジオ』を読んだときも思ったが、こーいうのをホントの翻訳というのだ。ことば遊びの部分はつまらない。それ以外はおもしろい。映像でやるとどうなるのだろう。フジテレビ深夜の『三番テーブルの客』はこの本からヒントを得たのかもしれないのかもしれないのかもしれないのかもしれない。 ★★★★
◆平田オリザ『新版・十六歳のオリザの未だかつてためしない勇気が到達した最後の点と、到達しえた極限とを明らかにして、上々の首尾にいたった世界一周旅行の冒険をしるす本』。 若い頃は「現実」を考え疑うのだが、年をとるにつれてそれは忘れ去ってしまう。ときどき街頭で募金して「現実」を誤魔化すか、安易な「現実」に逃げ込むだけになる。平田オリザは演劇という手段で「現実」に踏みとどまっている。ぼくらはそれを見て考え続けることはできる。『猿岩石日記』の十倍は売れるべき本。★★★★★
◆山田詠美『風葬の教室』。 山田詠美のなかで一番好き。小説としては最高だが...★★★★★
1/1997||3/1997
ISHIHARA, Shingo
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