◆池袋へ。シネマセレサで『パネルストーリー』『ひざぎく』観る。
◆渋谷のタワーレコードへ行くがもう閉店。よかった。なんだか灰野敬二の1万円のセットを買ってしまいそうだったので。金があると散財も多くなる。
◆たまごっち(白)を餌にしたクジのテキ屋に人だかりができていた。あんなの当たりが入ってる訳ないじゃんか。そう思いつつ騙されてしまうのが、相対化の意識を持ってしまった危うい現代人なのかもしれないが。半端な相対化意識は一歩間違えばオウムに入信するような危険を生じさせる。
◆ゼミ発表ののレジュメ作ってたらいつのまにかアッサー(谷岡ヤスジ風に)。のどが乾いたの自販機でコーラ買って飲む。そういえば『日曜研究家』に「日本コーラ史」が載ってたなと思い、引っ張りだして読む。コカコーラに比べてペプシが負けてるのは、コーラ業界黎明期における外貨割り当て制と、コカコーラに瓶のサイズを合わせるためのコストによるものだったというのを知る。オイラはペプシの方が味が濃くて好きだ。小学校の頃は、「コーラを飲むと骨が溶ける」と親に言われてコーラは禁止されていた。あの頃は、一人で自販機でコーラを買って飲むだけで、なんだかオトナになった気分を味わえた。ある日、缶コーラを飲んでるところを親に見つかったのだが、その時の親の顔とその見つかった場所を今でも憶えている。そういえば、山本夏彦もコーラについて書いてたなと思い出し、『変痴気論』を再読。「あれを飲むほど日本人は堕落しまいと、唾棄して私はかえりみなかった」と書いている。オイラ、堕落しまくりだな(笑)。ひどい時は一日二本ぐらい飲んでたもん。小学生の時禁止されてた反動だろうか。
◆ などと、徹夜明けにコーラの思い出に浸りつつ、斉藤由貴のアルバム『風夢』を聞きながら寝ようとするが、さすがに7時ともなるともはや目が冴えてしまってなかなか眠れん。それにしてもこの『風夢』は名曲揃いで特に「ひまわり」は名曲です。『マシュマロくらぶ vol.1』を開くといきなり「ひまわり わたしをかくして あの人の視線から」という文字があるのだ。ここにも「ひまわり」を好きな人がいるんだなとニヤリとしたのはいつの日だろうか。『マシュマロくらぶ』は休刊してしまった。『アリスの城』時代から美少女コミック誌の中でもマンガに物語があっておもしろかったのに。売れなかったということは、そう思ってたのは少数派だったということか。夕凪薫の「時計仕掛けのLiddell」はやっぱり内田善美を意識しているのだろう。上質の叙情派ロリータマンガは少女マンガに近づく。
◆部屋の掃除がはかどらず。ついアルバムや本を読み返したりしてしまう。『COM』の68年7月号には、月間新人賞で竹宮恵子の短編が掲載されている。ぐらこんのマンガ予備校には、最近クイックジャパン系で再評価(プレミアついちゃうからやめて欲しいが)されつつある福島政美が載っている。あだち充もいたりしておもしろいな、なんて思ってると掃除がはかどらない。
◆NHKで放送される演劇(『僕の東京日記』)を親が見に行ったと言う事で、電話で勧められたので観る。70年代の安保を絡ませたある下宿の青春群像。いまさらこれをやることになんの意味があるのだろう。女性登場人物の革命闘士がオウムの麻原のようで、なるほど、時代は巡るのか、中島みゆきは正しいなと思った。
◆この日記って読んでる人いるのだろうか。ちょっち不安になった。以下のフォームを押してくれると嬉しいっす。
◆『エヴァンゲリオン』の再放送を心待ちにしていることに気づく。スミスやカードその他もろもろのSFや、キルケゴールなどの哲学や、精神分析や過去のアニメのパクリだとしても、そのパクリの組みあわせ方の巧さと演出!!!
◆見たい、でも見たくないという相反する葛藤のなかで結局『天空の城ラピュタ』を後半から見てしまう。現代における悪役の作りにくさを宮崎駿は語っていたが、時代設定を過去にするというのは安易なような気もする。『カリオストロ』も『もののけ姫』もそうだが。現代に近い『トトロ』では悪人はでてこない。『もののけ姫』の予告編で腕がバッサリ切られる描写を見て、小山ゆうのマンガを思いだした。
◆古本屋で、竹坂かほり『花は幽かに… 全三巻』(100円)、『マシュマロくらぶ vol.3』(250円)買う。
◆伊勢佐木町オデオンビル内の先生堂で、花くまゆうさく『サルすくい』、山上たつひこ『喜劇新思想体系』(青林堂版。500円)、大島弓子『雨の音が聞こえる』(小学館文庫。100円)、『現代詩文庫101 松浦寿輝詩集』(600円)買う。
◆『雨の音が聞こえる』は持ってたけど、実家に置いてきてあるのでまた買ってしまった。100円で綺麗だったし。
◆「まるで僕は老人のよう…」とつぶやく大島弓子の描く主人公たちが紡ぎだす物語は、記憶の中の物語としてラストで終焉されるのだから、全ては過去に起こった物語であって丹生谷貴志のいう「老いてあること」の詩と同じようなものである。訳わからん。(笑)
◆広末涼子のデビュー曲を聴く。アイドルアイドルしすぎててダメだ。むかしからアイドルを手懸けてる竹内まりやじゃなくて、もっと違う人がプロデュースすればよかったのに。広末涼子は手塚治虫のキャラクターだという上岡龍太郎の指摘は初期の広末涼子に対しては当てはまるのだが、最近の彼女に対しては当てはまらないだろう。凛凛しさがなくなった。
◆今日でバイト終わり。19日間で約22万円の稼ぎ。もう川崎化成に行くこともないだろう。
◆なぜか下痢。
◆店頭で百円均一本を漁っていたところ、後から携帯電話の声。「おとしまえつけろよ。お前の尻拭いはしない。ヤクザのけじめ云々……」(おお、ヤクザか。さすが迫力あってかっちょいいな)などと思いつつ聞いていた。そして電話を終えると、その男は原チャリに載って、おかもち片手に去っていったのだった。かっちょわりー。いまどきのヤクザは出前のバイトをやるのか?!
◆ 『カーレンジャー大全集』買う。1100円。女性誌や『セブンティーン』なんかを買ったり立ち読みするのはもう平気だが、『カーレンジャー大全集』をレジに出したときはちょっち恥ずかしかった。まだまだ修業が足りんな。
◆ 近所の中古レコード屋「タチバナ」で『フランソワ・ド・ルーベ・エディション U』を1400円で。「空へ」が収録されている笠原弘子のアルバムを探しているのだが、なかなか見つからない。新品で買ったほうが早いのは分かってるが……。
◆下痢……
◆地震だ。恐いよー……。
◆昨夜録画しておいた『エコエコアザラク』と『エヴァ』を観る。『エヴァ』に泣く。誰にでも自分が描かれていると思わせてしまう・自分の一面を見てしまうという点では太宰治と共通するところがあるのかもしれない。
◆『知ってるつもり?!』におけるフランキー堺を見る。昔の名門は幅が広かった。フランキーの通った麻布学園の同級生には小沢昭一がいた。はたして今の麻布学園にフランキーや小沢昭一がいるだろうか。それにしてもフランキー堺の演技人生の凄まじさ。わかっているのだがオイラには演技ができない。
◆バイト午前中で上がる。川崎の古本屋で、山本文緒『きっと、君は泣く』(100円)、芥川也寸志他『現代人のための音楽』(100円)。大通り沿いの近代書房で、『ユリイカ 総展望フランス現代史』、つかこうへい『人は幸せになるために生まれてきたのです』、CIDOプロ『猟奇殺人のカタログ50』、北村想『ケンジ』、それぞれ100円。
◆横浜美術館へ。ピーター・クーベルカの映画上映と本人によるレクチャー。
◆ 近所の古本屋で、山咲トオル『戦慄!!タコ少女』(250円)購入。やっと山咲トオルを手に入れた。もったいないのでチビチビ読み進める。
◆『弾丸ランナー』観る。最近、映画の最中に眠くなること多し。高校の頃は徹夜で観てても全然眠くならなかったのに。やっぱバイトやってるからか?
◆ 明日の目覚ましをかけないで寝られるというのは、なんて幸福なことなのだろう。
◆今月の映画↓
◆3/15、新宿Fuにて、 イメージリングス [脳ミソも春休み]↓
◆『パアプリンプウ』監・朝生賀子。『洋子の引越し』監・谷口正晃。『家族ケチャップ』監・工藤義洋。『ハニームーン』監・富永ノ?。『ヒドラと踊ろう』監・鈴木卓爾。『脳の休日』監・水戸ひねき。 ひとつも外れがない。高い金払ってメジャーのつまらないの見に行くならインディーズ映画を見に行ったほうがいい。特に『家族ケチャップ』には圧倒されました。いきなり母親に小便をかけるシーンから始まるんだもんなぁ。そいで終わりが、あみんの「もしもあしたが・・・」だもん。すごく感動した。 『パアプリンプウ』は女子校生が衝動的に赤ちゃんをさらってしまう話。ラストの公園のフェードアウトが美しい。 『洋子の引越し』は場の空気が巧く表現されている。 『ハニームーン』は教育テレビをパロッった感じでおもしろおかしく進行するが、ラストがあんなに悲しいとは。せつなくなった。 矢口史靖『秘密の花園』(まだ未見)で脚本を書いてる鈴木卓爾のアニメーション『ヒドラと踊ろう』は文句なくおもしろくて、『脳の休日』も凄く良くできててめちゃくちゃいいのだが、ラストが思いだせない。どういうラストだったんだっけ? だれか見た人おしえて欲しいよ。これからはインディーズを積極的に見に行こうと思う。★★★★★
◆『美乳大作戦メスパイ』監督・河崎実。バカである。しかし天才とバカは紙一重である。★★★★
◆3/13、池袋シネマセレサにて、 『パネル・ストーリー』。 ふつう。 ★★★
◆『ひなぎく』。 なかなか。ラストのメッセージが泣ける。★★★★
◆3/1、横浜美術館にて、 ペーター・クーベルカ「−映画の本質に向けて−」↓
◆『われらのアフリカ旅行』'66。 タイトルそのままの内容だが、上映作品の中でイチバン良かった。編集に5年間かけたというだけのことはある。音楽と映像の合わせ方など素晴らしい。 ★★★★★
◆『自信にモザイク』'55。 寝てしまった。
◆『ポーズ』'77。 やりたいことがよくわからない。監督の説明によると、人間は他人と比較して判断する。果たしてただ一人だけだったらどうなるかということらしいが。★★
◆『アデバー』'57。 ダンスする人をシルエットだけで見せる作品。★★★
◆『シュヴェカター』'58。 スピードに挑戦した作品らしい。映画は動いているのではなく、とまっている絵を一秒24コマで見せているということを監督は話していた。★★★
◆『アーヌルフ・ライナー』'60。 光と闇と音と沈黙。刺激的だった。★★★★★
◆『弾丸ランナー』監・サブ。 ちょっと真面目すぎるきらいもあるが、なかなかばかばかしくて良い。ただ、倒叙の語りが説明的で堅苦しい。もちっと破綻があればいいのかもしれない。話がよく出来すぎている。 ★★★
◆今月のマンガ↓
◆『花は幽かに 全三巻』竹坂かほり 。 この物語の舞台になっている町に住みたくなった。大学入って横浜に住みはじめたが、どうも横浜は好きじゃない。結局住み慣れた町が一番ということか。 ★★★★
◆藤子不二雄『フータくん 1巻』。 藤子不二雄のブラックなマンガとSFマンガは現在読んでもおもしろいのだが、この『フータくん』は読んでて辛い。子供の頃読んだマンガなら、つまらなくとも懐かしさで読めるのだが『フータくん』は読まなかったからなぁ。 ★★★
◆吾妻ひでお『オリンポスのポロン 2巻』。 掲載誌が『プリンセス』だったから、残酷変態屈折猥雑を自粛しているのであまりおもしろくない。吾妻ひでおの絵には、手をこましたのとそうでないのがあるが、この『オリンンポスのポロン』は後者で、オイラはあまり好きじゃない。 ★★★
◆山上たつひこ『喜劇新思想大系』 。差別語がかなり多い。オリジナルで復刻は無理だろうな。双葉社の『山上たつひこ全集』はそのへんどうしているんだろう。 ★★★★
◆花くまゆうさく『サルすくい』。 ★★★★★
◆ぜんきよし『あほ拳ジャッキー 5巻』。 プレミアがつき始める前に『コロコロ』のアホマンガ(いま読むとほんっっっっとにアホだ!!)を買い集めようかと思う今日この頃。『コロコロ』は小学生の頃、毎月買ってたけど捨ててしまった。とっとけばよかったのかも。でも、とっておいたとしても厚いから嵩張ってしょうがないなぁ。★★★
◆山咲トオル『戦慄!!タコ少女 1巻』。 今年夏休み前の『プレイボーイ』(馬淵英里何嬢が巻頭グラビアの号)に載った短編は衝撃的だった。 一見、楳図かずお風の絵だが、内容はかなり変。山咲トオルは小さい頃からひばり書房の怪奇マンガを読んでいたらしい。(『The Lucky Horror Show 36』)。そういう人が創作する場合、ただの再生産になりがちだが、山咲トオルは従来の怪奇マンガのシステム内容を逆手にとってギャグでひっくりかえしている。意識的にそうしているのではなく天然ボケなのだが。今の神田茉莉といい山咲トオルといい、怪奇マンガの世界には定期的に特異な才能が現われている。★★★★★
◆玄田生『天使の暴走』。玄田生の描く登場人物は普通の人ではないがそれだからこそ繋がりあったときの感動が大きい。 ★★★★
◆かざま鋭二、作・高橋三千綱『Dr.タイフーン』。超人的で女にもてもてな主人公。本宮ひろ志が得意とするパターン。読みはじめるとやめられなくなるのがこのパターンである。あまりにもマンガ的に理想が表現されているので読者が安心できるからなのだろうか。★★★★
◆花くまゆうさく『野良人』。傑作。絵はうまくはないが風景の存在感がある。流行りのCGに比べても見劣りしない(ウソ)。★★★★★
◆中崎タツヤ『ひつこいんだから』。 中崎タツヤも初期はつまらないマンガを書いていたことがわかる。 ★★★
◆今月の本↓
◆平井和正『美女の青い影』。 ジュブナイルはSFの本道でしょう。そういえば最近全然本格SF読んでないな。★★★★
◆岩本隆雄『星虫』。 このヒロイン像というのはオイラにとっては理想だ。強くて優しくて勇気がある美人の委員長というのは。読み始めたらとまらない。[新潮社]★★★★★
◆乙一『夏と花火とわたしの死体』。審査員絶賛だけれど、たいしたことなくねい?[集英社]★★★
2/1997||4/1997
ISHIHARA, Shingo
shingoo@lily.sannet.ne.jp