◆バイト
◆バイト
◆バイト。
◆『週刊少年ジャンプ』。 鳥山明「カジカ」終了。「ドラゴンボール」以降の新連載はすぐ終わってしまう。鳥山明の模索が感じられるので、それはそれでよい。
◆とうとう三線を買う。教則ビデオ付きで六万円。蛇皮は本土の気候だと割れると書いてあったので、注意しなければならない。さっそく安里屋ユンタに挑戦。だいたい弾けるようになった。
◆『週刊漫画ゴラク』NO.1928 10/9号。 「男!日本海」が唐突に終了。これには驚いた。個人的には『アストロ球団』の最終回のような衝撃を受けた。「ミナミの帝王」、読ませる。
◆ゼミで吉見俊哉のサブカルチャー論をやるも、読んでなかったのでイマイチよう把握できなかったけど、相変わらずまとめるのはうまい。カルチュラル・スタディーズについての入門書でも書いてほしい。
◆平口広美『社会的責任』けいせい出版,1984。 すべて暴力は個人的なものだということを平口広美を読むと感じる。それにしても今のエロマンガにはないラジカルな迫力。傑作。
◆米倉けんご『ドッグスタイル』司書房,1998。勢いがある女流。メジャーにいってしまいそうだが。
◆祝日。洗濯。今日は良いマンガを三冊も読めた。この三冊はこれから何度も読み返すことになるだろう。
◆松永豊和『バクネヤング(1)』小学館,1995。 平口広美の血が純粋培養されて出てきた感じ。これでエロスが加われば完璧だろうが、掲載が『ヤングサンデー』では無理か。でも傑作。続き楽しみ。
◆鈴木翁二『東京グッドバイ』北冬書房,1998。 すべて過去の作品だが、鈴木翁二のような作家の本は、すぐに入手困難になってしまうので、定期的に再発されるべき。高校の頃、『透明通信』や『銀のハーモニカ』は読んだ。確かに「山の町海の町帰る町」は良かったが、しかし、それほどでもないなぁと思った。でも気にはなる作家だった。だからこそ一人暮らしをはじめる時も、鈴木翁二の本は持ってきたのだろう。で、今回、読んでみて、身に染みた。傑作。ところで、北冬書房の本て、いまだにバーコードが付いてないのね。レジで店員が「ない。ない」って、慌ててたのがおもしろかった。
◆近藤ようこ『アネモネ駅』青林工芸舎,1988。 近藤ようこは、ブロンズ社から出ていた初単行本から、目に付くと買って読んでいる。(ほんとはこういう言い方はしたくないのだが)あまりに女性の生理に寄り添いすぎていて、個人的にはいまいちだった。しかし、この『アネモネ駅』に収められた短篇は、ひとつ読むたびに、凡庸な物言いだが、胸がしめつけられた。洗練の極み。傑作。
◆柄谷行人『日本近代文学の起源』講談社,1980。 もう何回読み返したか分からん。
◆フランソワーズ・サガン『愛と同じくらい孤独』新潮文庫,1979。 原題は『回答』。日本題のほうが良い。朝吹由紀子の訳は少し癖がある。サガンの翻訳はすべて彼女だが、他の人の訳でも読みたい。例えばチャンドラーにしても訳者の違いによってかなりの差が出ているのだから。 いちばん印象に残った言葉はサガンではなく、インタビュアーが引用していたボリス・ヴィアンの言葉。曰く「私たちはどうせいつも仮装している。ならば仮装すればいい。そうすれば仮装していないことになる」。なるほどね。7年以上恋愛がつづいたことがないという言葉のあとに「恋愛が始まるときはいつも素晴らしいのです。途中はもっといいのです。終わりのほうは、どっちが先に飽きるかによります。(中略)<あと>のほうになると、頭と体はもはや融合しなくなるのです。」と実も蓋もないことを言うサガンが好きだ。
いちばん良い関係は、「結婚しよう」と言いながらも結婚しないでいる関係だと、おいらは思う。結婚すると安定してしまって、不安もなくなり、やがて倦怠にいたるだろうから。人はつねに不安な状態でいるほうがいい。辛く疲れることだが。モラトリアムやってるってのは常に不安と隣り合わせだけれども、そういう状態にいる人のほうが人間らしいし、そういう人が作ったものこそおもしろい。だから就職活動なぞしない、ってのはただの言い訳っす。
◆『別冊漫画ゴラク』10/7号,日本文芸社,1998。 全部について書いてくのはめんどくさいので飛ばしつつ。「パチプロ未亡人オカルト銀子」銀子かっこよし。「新包丁無宿」展開読めすぎ。「ミッドナイト・ドク」医者が主人公のええ話。「ヴィヨンの妻」太宰没後50周年企画だそうで。なぜ『漫画ゴラク』がやるのか分からんが、それなりに上手くまとめている。「パンチラ刑事」絵がみやすのんきっぽい。「ハッピー菜々子」人妻が襲われるけど素直にやられる話。人妻の顔がロボットみたいで恐い。「神棒たまらん」いつもの玄太郎節。相変わらず正面股開きの描写。あと、大川興業のエッセイとAV紹介。4コマはつまらんので飛ばした。
いちばんは、やはり玄太郎。バカバカしくて好き。
◆『週刊漫画ゴラク』NO.1627 10/2号。 おもしろいのだけ書いてく。「銀シャリ」米の炊き方、勉強になりました。「男!日本海」毎回毎回よくやりますな。冒頭の掴みギャグ、男「すみません大院神さんの家はどこでしょう」オヤジ「なに大陰唇だって!?わしの大陰唇を見たいだか」からノックアウトされる。「ミナミの帝王」相変わらず暑苦しくてGOOD。北川れいこが映画紹介コラムで『BEAT』をけなしてるんだが、1ページも使ってけなすより、おもろい映画紹介したほうがいいんじゃないかねぇ、映画専門誌ならまだしも。
で、いちばんは「ミナミの帝王」と「男!日本海」。この二本が『漫画ゴラク』を支えているといっても過言ではないだろう。
◆バイト。『ジャンプ』を読んでいたバイト先の男子が「『ボーイ』は監禁とかレイプとかあっていやだ」と言った。それを受けてもう一人が「おれもビデオのレイプものとか見ないもんなぁ」と答えたのを聞いて、ホントかしらと思う。おいらは監禁やレイプやナチスなどに魅力を感じる。極限までそれをしたらどうなるかという興味が昔からある。どうして人間はそういうことをするのか、それに惹かれている人が研究するべきだと思う。それらを非難する調子で書かれた文章からは、何も見えてこないだろう。ナチの<コラボ>作家を取り上げた、福田和也の『奇妙な廃墟』がおもしろく読めるのは、結局、福田和也がナチ的な物事が好きだ、ということだと思う。
◆まえに自転車泥棒で捕まった関係で、賃貸契約書などの書類を交番へ届ける。帰りぎわ、「また近くにきたらお茶でも飲んでってよ」と角野卓造似の警官に言われるが、もう来たくないっちゅうの。
◆ 横浜東急ハンズ横のぽんぽん船で、マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』、田渕由美子『フランス窓便り』、サガン『愛と同じくらい孤独』、藤田貴美『純情闘争』、西村しのぶ『美紅・舞子』、しめて500円。
◆まんがの森で、SABE『ビューティフル・マネー』、近藤ようこ『アネモネ駅』、鈴木翁二『東京グッドバイ』。買うとき紙袋を持っていたら、レジのお姉さんが、「その紙袋も一緒に入れますか」と聞いてくれた。幸せ。
鐵塔書院で、江ノ本瞳『エヴリィ・トム・ディック・アンド・ハリィ(2)』、花輪和一『月ノ光』、松永豊和『バクネヤング(1)』しめて1500円。山田花子の『神の悪ふざけ』も安かったのだが、彼女の描くものはあまりに分かりすぎるのであえて読まない。
◆ スーパにて。買ったものは自分で袋につめるのが普通なのだが、レジのお姉さんがつめてくれた。幸せ。
◆ 今日はもの凄い暴風が吹いたが、そのせいだろう、帰ったら、換気扇が落ちていた。換気扇が落ちただけならいいのだが、落ちた換気扇に当たったのだろう、容器が倒れて、油が床一面に流れて、台所が油びたしになっていた。最悪。
◆ Yに「一緒に『鬼畜大宴会』観にいこうよ」と誘うも振られる。
◆SABE『BEAUTIFUL MONEY』ワニマガジン社,1988。 改造自転車男の不幸に共感。
◆江ノ本瞳『Every Tom ,Dick & Harry(1)(2)』光風社出版,1994,95。 『スリーピング・ビューティ・クリニック』もそうだったが、残酷で美しい物語。
◆手塚治虫『0マン』朝日ソノラマSUN COMICS,1974。 母の喪失。
◆バイト。
◆新宿を彷徨う。コンビニで
◆押井守・おおのひろゆき『西部新宿戦線異常なし』。 立ち読み。現代に戦争が起きたら、という物語には、おいらも高校のときから取り付かれているのだ。『気分はもう戦争』にしろ、これにしろ、主要キャラクターが貧乏臭いのはどういうわけだろう。とても懐かしく、あるいは古くさく感じるのは、矢作にしろ押井にしろ、学生運動的な影をひきずっているからだろうか。余分なイデオロギーが見え隠れしてしまっている。
◆ペペのレコファンで、P.S.F Psychedelic Sampler『Tokyo Flashback』[MODERN MUSIC]、COKEBERRY『こころのうた』[PONY CANYON]、ナラ・レオン『リンドネイア』[PHILIPS]を買う。しめて3500円ほど。それにしても最近の復刻の仕方ってのは凄い。重箱の隅をつつくような復刻をするね。日本ってのは良い国だ。
◆本屋で小林よしのりの『ゴーマニズム宣言〜戦争論』が平積みにされてたので、パラパラっと。己れの安定を得るためだけになされた表現に興味はない。
◆ ところで、堀越学園校長の孫娘で、めでたく小室ファミリー入りを果たしたトーコのアルバムタイトルが『藤子』なんだけど、やっぱこれは「フジコ」だよなぁ。
◆ 『噂の真相』を立ち読みしたら、重松清がゴーストライターの帝王だという記事があったが、いまさら。『噂の真相』はときどき、庵野秀明が菜食主義だとか、どうでもいいことを書くね、ってのは枕で、問題はロフトプラスワンの予定を見たら、qjのイベントで、ゲスト・ふくしま政美とあるじゃないか!!
◆ タイムズスクエアの紀ノ国屋のエロマンガの棚。山本直樹と並んで町田ひらくが平積みにされていた。町田ひらくはもうそういう位置にきたのね。
◆ 古本屋で伊藤比呂美『おなかほっぺおしり』、デニス・マクファーランド『音楽室』、向田邦子『女の人差し指』、J・アンソニー・ルーカス『ぼくらを撃つな』、しめて800円。
◆ Kと高島屋のレストランで食事。
◆帰り、白楽駅前でレコードのつまった紙袋とアタッシュケースを拾うが、K曰く「こんどあたしのいる前で、ゴミ捨て場からモノ拾ったら、別れる」とな。いいじゃんかよー別に。テレビ演芸の何代目かの優勝者が歌う『目蒲線物語』とか、やばいレコードがちょっとあった。うしし。
◆寝てた。
◆小学館ドラえもんルーム編『ド・ラ・カルト〜ドラえもん通の本』小学館文庫,1988。 図版の選択がにくいほどきまっている。のび太をいい人にとらえ過ぎのような気もするが、おもしろい。
◆ 昼間は寝てた。
◆夜9時から、この雑誌の企画、24時間ストリートミュージシャンに付き合って、徹夜。ホームレスの親父に、「ほら、あの、こつこつと歌う人。ナガブチ」に似ているといわれ、それからおいらのあだ名はナガブチとなる。マラカス振ったりしてるうちに夜明け、始発で帰る。
◆大家さんが三時間で一万二千円のバイトを紹介してくれたのは良かったけど......... っつーか、バイトより、就職どうすんのよ 。実家に電話かけずらいのよ。この日記、そのうち就職活動記録になるかも。いや、このままモラトリアムでいこうか。ああ、空が青い。
◆井上英樹『黄昏に愛をこめて』久保書店,1989。 三流エロ劇画ブーム時代に『劇画アリス』で活躍した作家らしく、エロマンガで何かを表現しようという意気込みがある。だからテーマが深刻。今のロリコンマンガの読者が読めば「暗い」と放り出すだろう。例えば、比較的深いテーマがありそうにみえる町田ひらくでさえ、実はそんなものないんだ。そこが町田ひらくの特徴ともいえるところで、要するに町田ひらくの一番の関心は、物語に含まれるテーマではなく、物語そのもの、あるいは物語の語り方なんじゃないか。小説でいえば町田康と同じような感触を感じる。ところで、おいらがエロマンガに魅かれるのは、エロマンガが社会からすれば悪名の場だからであって、だからこそおもしろいものが出てくる。市民権を持ってしまうと何でもつまらなくなる。だからオタクもインターナットも市民権を得ちゃいかん。
◆榎本俊二『エノティック』双葉社,1998。 榎本俊二はすごくシンプルな線で女の子を描くんだけれども、めっちゃかわいいので、エロ満載なこの短篇集は買い。実験作あり地下沢中也との合作ありでバラエティーに富んでておもしろい。ので買って損なし。不倫するのに子供を連れてくる奥さんに一満点。
◆鬼頭莫宏『なるたる(1)』講談社アフタヌーンKC,1988。 ツボにはまる。たぶん作者と同じようなモノを見てきたからだろう。アニメ映画化してほしい。
◆佐藤まさあき『実録昭和猟奇事件(1)大久保清事件』アスペクト,1988。 大久保清のような人間がいるからこそ社会はおもしろい。それにしてももの凄いエロパワーだな、清。佐藤まさあき死刑執行シーンのファンクラブ会長のおいらとしては、ねちっこい死刑執行シーンがなかったのが残念。
◆内田百ケン『サラサーテの盤』。 牧野信一、稲垣足穂と組になった日本文学全集で読む。解説は三島由紀夫。オールスターですな。百ケン先生、やっぱ最高っす。文庫で全集出して欲しいっす。あ、でもそうなると新仮名遣いになっちゃうからダメっす。百間は文字に取りつかれた作家なのに、勝手に新仮名遣いに直したりしちゃ、いかんよいかんよ。BGMは森高千里『TAIYO』。
◆朝九時、駅前の人通りが多い道にて。ホームレスらしき男性が、転んで頭を打ったのかコンクリの地面に倒れて、血を流して痙攣していた。だけれども道ゆく人は一瞥するだけで黙殺し通り過ぎてゆく。比較的若い人やおばさんは心配そうにのぞいたりしているのだが、スーツ姿の中年男性はさっさと通り過ぎていってしまう。組織に属して働くというのはこういうことか、と実感しつつ、近くの交番に知らせに走ったが誰もいない。いっしょにいた友人が、自転車でもうひとつの交番へ走ってしばらくすると救急車がきた。帰り道、何度も頭をよぎったのは、太宰治の短篇「家庭の幸福」の結行、「家庭の幸福は諸悪の本」という警句だった。
◆コンビニで『熱烈投稿』『スーパー写真塾』の文章部分やらを立ち読みしているうちに、ちょっと興奮してきて久々にAVを借りる。代々木忠の面接ものを初めて観た。役割演技を放棄せよという極めて扇情的な社会学の著作『プラトニック・アニマル』は以前に読んでいたのだが、ビデオは初めて。う〜ん、おもしろいですな。本を読んだときは「ホンマかいな」と思ってたけど、本当でした。
◆チョコボール向井が出演していたのを見て思い出したのが、サークル夏合宿で耳にした会話。男「チョコボール向井って知ってる? おれの知り合いが友達なんだけど」。女「知ってます」。男「あ、じゃあ、チョコつながりチョコつながり」。『チョコつながり』って単語を聞いたときには爆笑したなぁ。
◆そういえば、ときどき変わり種ジュースを売り出すエルビーが、また変なのを出した。「カフェファンタジア」ってやつ。チョコとオレンジとコーヒーと紅茶が混ざっている。飲んでみると確かにそれぞれの味がするのだが、溶け合ってはいない。ジュースもメルティング・ポットからサラダ・ボウルの時代か。
◆『ビッグコミックスペリオール』NO.272 10/1号。 「愛しのバットマン」うまくええ話にまとめている。でも細野不二彦の最高傑作は『ママ』だ。「あずみ」あずみに恋愛はないほうが良かった。「out law」弁護士もの。悪党にみえて実はいい人という『ブラックジャック』や『ザ・シェフ』の弁護士版。「魅惑の砂」飛ばす。「ちょべりぶ」つまらん。「でんでん虫」ゴルフものは大同小異。「だから笑介」飛ばす。「ナンデのきたの」縛られた男が、ちんぽ立てておしっこでダイナマイトの火を消そうとして、いざ立ったらおしっこが止まってしまうという四コマだけおもしろかった。「国立博物館物語」知識を育てるサイエンスコミックだそうだ。マンガで知識など育てないほうがいい。マンガはむしろ知識を壊せ。「プリーズ・フリーズ・ミー」『裸足のピクニック』『秘密の花園』の映画監督矢口史靖が原作。冷凍保存で眠っていた母親が蘇生したが、同い年の娘と喧嘩ばかりしている。転がりようによってはおもしろくなりそう。「バウ」犬は嫌い。「シネマ」無難。「関係筋」中川いさみは安定しておもしろい。「オムライス」読んでいると気がめいってくるのは、恋愛のいざこざで常に主人公たちの瞳がうつろだからか。星里もちるはもう少年誌には描かないのだろうか。「ファイター伝説金と銀」ずっとアシだったからなのかもしれんが、絵があまりにも誰かのエピゴーネンすぎて白ける。「ハナ曲署24時」つまらん四コマ。「演歌の達」無難。歌唱場面の演出にもっと工夫がないと、主人公の唄のどこが良いのか読者に伝わらない。「味いちもんめ」無難。「みそじる」つまらん四コマ。なぜか四コマが軒並みつまらない。一番おもしろかったのは「スペリオーズ・サークル」という読者の声を載せたページ。あれって本当に読者からの葉書を載せてるのだろうか?わざわざ葉書に書いて感想送るなんてよっぽど閑人だよな。っておれもそうか。武論尊・池上遼一コンビの新連載「HEART」に期待。おおぼらかましてくれそう。
◆『週刊少年サンデー』no.42 9/30号。 「DAN DO」ゴルフ天才少年もの。無難。「名探偵コナン」飛ばす。青山剛昌なら「コナン」よりも「YAIBA」だろう。やっぱ少年誌には明快な冒険物語がよく似合う。「メジャー」「犬夜叉」飛ばす。「め組の大吾」丁寧な描写と物語。感動。「タキシード銀」これ結構好き。ペンギンに生まれ変わった銀二が愛する美奈子家のペットになって。「からくりサーカス」サーカスものってのはめずらしい。「ガンバ」ちょっと感動してしまいました。「じゃじゃ馬グルーミンアップ」「烈火の炎」「スピンアウト」飛ばす。「ファンシー雑技団」おもしろい。「俺たちのフィールド」主人公の顔の縦長具合がおもしろいサッカーもの。「GS美神・極楽大作戦」「風の伝承者」飛ばす。「神聖モテモテ王国」いまいち。「アームズ」物語がわからんので流し読み。「なぎさ公認」マラソンもの。「勝手に改蔵」『サンデー』では一番。「ラブ」テニスもの。伊達杏子が登場。「モンキーターン」競艇青春もの。あまり派手に盛り上がらないで押さえた物語展開に好感。「影組」「デビデビ」飛ばす。
一番は「勝手に改蔵」。
◆『週刊少年マガジン』no.42 9/30号。 グラビア藤崎奈々子。若さだけでもってる感じ。
「サイコメトラーEIJI」こういうのは小説で読んだほうがおもしろい。「勝負師伝説哲也」麻雀ものは麻雀などまったく分からないながらも読んでしまう。麻雀の人間臭さには魅かれる。「GTO」古本屋へいくと「『GTO』ありますか?」と店員に聞く声がときどきするほどの人気。女の子はかわいいし、ええ話だし、ギャグもおもろいから人気があるのも分かる。「中華一番!」料理の美味しさの表現がおもしろい。突然走りだす。これ読んでたら漢字おぼえるなぁ。おいらは小学生のとき『魁!男塾』で漢字を覚えたりした。「シュート」どの少年誌にもサッカーものはひとつある。「新コータローまかりとおる」まだやってんのね。「はじめの一歩」連載当初はこれほど長く続くとは思わなかった。「ドリームス」「カメレオン」飛ばし。「金田一スミの冒険」最近の小学生は色恋ざたしか頭にねぇのか。「将太の寿司」これもよく続いてるなぁ。おもしろいし。料理ものは好き。『一本包丁満太郎』とか最高だよ。「Jドリーム」顔がみな縦長なのね。「LET'Sぬぷぬぷっ」おもしろい。「ポリスマン」「ハートビート」「サーティーンベイビーズ」「ドクターK」飛ばす。「人間凶器カツオ」は女の子がかわいいくてぬるい話でいい。「脳みそプルン!」おもしろい週とそうでない週のばらつきがある。「蒼き神話マルス」競馬ものが多いってのも少年誌を読みはじめて気付いた。「ビッグウエイバー」とりたててなし。「G HARD」飛ばす。「へなちょこ大作戦Z」普通かな。
目立って「これはおもしろい」ってのはないけど「脳みそプルン」は注目か。
◆『WEEKLY漫画アクション』NO.39 9/29号。 「漫歌」つまらん。相原コージは方向を間違えている。「SL航太郎」コンビニ経営の条件に、夫婦で従事するってのがあるとは知らなんだ。「Dr.タイフーン」ゴルフもの。実は単行本を全巻読破してるのよね、わし。下品で良いですな、タイフーンさんは。「クレヨンしんちゃん」映画はおもしろいんだけどねぇ。「幸せの時間」つまらん。「ルパン三世」なぜモンキーパンチ本人が描かんの?「さよなら20世紀」矢作俊彦が原作。まだ物語が走りはじめたばかりでよく分からん。「それでもせずには帰れない」島村洋子のエッセイ。島村洋子にしては普通。「別れたら好きな人」離婚したけど仕事を一緒に続けるうちにお互いを分かりあっていくという話だと思う。たぶん。「妖しい花」柳沢きみおはこの調子で中年下品パワーで突っ走ってほしい。「かりあげクン」ってまだやってたんかいっ。「ふうらいぼう」「ヒロミとジュリエット」「純愛とセックス」「11/2からの愛」「風前の灯」流し読む。「金権満女リカ」相変わらずのジョージ節。「夢のフェラ千代日記」エロコラム。「歌麿」歌麿の生涯を描く。これは企画勝ち。漫画に最適な題材だ。エロもからむし。「軍鶏」いちばん「アクション」らしい骨太な作品。「キャラ者」おお、こんな巻末に江口寿史がいたのね、1ページだけど。そしてつまらんけど。「漫歌」巻末にまた。でもつまらんのよ。 『アクション』もこれといって突出した作品はないけど、矢作俊彦原作の「さよなら20世紀」の続きは気になる。タイトルが矢作俊彦らしい。
◆マンガ週刊誌を読んでみてちょっと気付いたのは、とても分かりやすく理解しやすいマンガばかりだということだ。「男性向け」で「週刊誌」だとそうなってしまうのだろうか。ちょっと物足りない。わけわからんけど作者の思い込みとパワーだけで押し切るような、作品から作者の業が見えてくるような作品が一雑誌にひとつくらい欲しい。そういう作品こそマンガの醍醐味だと思う。それと、もし、少年少女、女性男性問わず、すべてのマンガ雑誌を読み続けたとしたら、それだけで人生終わってしまうだろうなぁと思ったら、マンガ雑誌がすごく不気味なものに見えてきた。
◆ZERRY藤尾「扉をコジ開けて」『ZetuMan』10月号,笠倉出版社,1998。 例えばよくある「まっすぐメッセージソング」ならば「扉を開けて」なのだが、JERRY藤尾は皮肉を込めて「コジ」開ける。エロ描写のアングルがワンパターンになりつつあるのが気になるが、やはりZERRY藤尾はエロいし話もおもしろい。エロマンガ内では山本夜羽と並んで反体制というか反世間性を感じるが、山本夜羽のようにあからさまにはならないでほしい。ZERRY藤尾はあくまで山田Xなのだから。
◆山本直樹『フラグメンツ3』小学館,1998。 現代マンガの最良の部分。CGの無機質な絵とあいまった閉塞感。
いちばん印象的だったのは「ASPHYXIA」のラスト「うそだよ。死んだりしないよ」という言葉。セックスで死や革命と手を組めた60、70年代がとても牧歌的に思えた。
◆『マンガ夜話VOL.1』キネマ旬報社,1998。 特集・松本大洋「花男」。まず不思議に思ったのは、なんでキネ旬がマンガの本を、しかもNHKの番組である「BSマンガ夜話」の本を作るのかということ。なぜNHK出版がやらないのだろう。内容は各分野から様々な人が「花男」や松本大洋について書いてるんだけれど、何となく物足りないのは、それぞれの枚数が少ないのと、みんな松本大洋讃歌で大体誉め方も同じなのと、中心メンバーであるいしかわじゅん、岡田斗司夫の原稿が聞き書きみたいなものだったからだ。松本大洋をやるのなら、松本大洋的なものをも成立させることのできる、マンガというシステムそれ自体から問い直すべきよ。それと読者分析もやるべきだ。松本大洋の作品を演劇化した斎藤晴彦によると、その観客は非常に若く、熱心にアンケートを書き、なかには「ジジイとババアたちが松本大洋の作品をやるのは許せない」というのもあったそうだ。松本大洋が若者にそのように読まれる構造についての分析も欲しい。作品分析よりも。ちなみに、おいらは『STRAIGHT』といくつかの短篇しか読んだことないっす。VOL.2は萩尾望都「ポーの一族」だそうだが、あまり期待できんなぁ。もう書き尽くされてる感がある作品だし。いまさらだよな。たぶん立ち読みですますだろう。
◆三条友美『劇画野郎〜三条友美特集号』5/10増刊号,ミリオン出版,1990。 女性をモノ化するというポルノグラフィの典型。フェミニストが見たら怒るのだろうが、しかしたかがマンガなんだからいいじゃないの。マンガはマンガとして読まれるべき。マンガから現実を還元して批判するのは簡単だけど、それじゃあいかんのよ。
女性の一人称で話が進んでいくのだが、その話体がおもしろい。シャブ漬けにされて堕ちていく人妻ってのはそそる。絵も巧い。三条友美全集を揃えたくなってしまった。
◆バイト先で知合った友人たちが家に遊びにきた。部屋に入って驚かれるのは毎度のことで慣れた。
◆例えば会って間もない人に「本とか読みます?」と聞かれるだろう。あなたは「読みますよ」と答える。と相手は「どんな本を読むんですか」とくるだろう。そうして、その答えにつまってしまいはしないだろうか。「どんな本を読むのか?」という質問は、あまり本を読まない人にとっては意味があるのだが、本当に本を読む人にとっては意味がないのではないか。
◆今日の買物。鐵塔書院、『コットンコミック』1998.4月号、『ミュージックマガジン』1991.3月号、さつきのそのいち『SUNFLOWER』、江ノ本瞳『エヴリィトム・ディック・アンド・ハリィ(1)』、『劇画野郎増刊・三条友美特集号』、山本直樹『フラグメンツ(3)』、村上知彦ほか『マンガ伝』、井上英樹『黄昏に愛をこめて』。しめてちょうど三千円。大学生協にて、宇田川岳夫『フリンジ・カルチャー』。二千円。
◆今日の夕食。牛丼
◆今日のBGM。 ソウルフラワーモノノケサミット『アジールチンドン』
◆最近、毎朝5時に起きて電車に乗ってバイト先へ行くので、ホームのごみ箱でマンガ雑誌を拾って読むようになった。いままでの人生で一番読んでいるかもしれん。せっかくだからメモしておく。
◆『週刊少年チャンピオン』no.42 9/24号。 順番にいく。「ドカベン」飛ばす。「浦安鉄筋家族」テキレツ親父が竜巻起こす。普通。「フルアヘッド!ココ」飛ばす。「おまかせ!ピース電器店」ピースママの暗い過去がほのめかされる。お母さんの表情。泣ける。「優駿の門」飛ばす。「フジケン」「ゲッチューまごころ便」「用神坊」飛ばす。「おやつ」おおひなたごうの絵は、マンガが模倣に模倣を重ねて発展してきたメディアだということを暴露する点でラディカルだ。「マンガは日本の誇る独自の文化」などと言いたがる人はたくさんいるが、手塚治虫も大友克洋も松本大洋も外国の作家の絵を模倣することで展開したのだし、表現方法として映画や小説を流用しまくってきた。日本マンガのオリジナリティを突き詰めていくと、そこにはサンプリングやカットアップ技術しかないといったら大げさだろうか。などという植民地主義にのっとったような批判はどうでもよいことで、なにしろ何かに影響を受けてない表現はないのだからして、問題は、伝達された文化がどのように受け止められたかということや、文化の変容の仕方だ。「グラップラー刃牙」話はどうでもいい。絵だ。「京四郎」横顔の描き方が懐かしい。「バロン・ゴング・バトル」流す。「本気」生徒が学校に閉じこもる。で、校長に丸め込まれて終わり。これ、本気? こんな解決でいいのかいな。もちっとアナーキーにいこうよ。それがマンガってもんだろ。「鉄鍋のジャン!」意味もなく巨乳なのがイカス。「満天の星」ボクシング成長マンガ。安全牌。「グルームパーティー」まぁまぁ。「特攻天女」チームとか総長とかいう単語が飛びかう。「学校怪談」つまらん。「ドンキー」つまらん。「オヤマ菊之介」エロ描写の強引なカモフラージュの仕方が毎回おもしろい。『チャンピオン』で最も興味あるマンガかも。でも今回はそのまんま胸もんでたからつまらんぞ。「悟空道」仏契。「大介ゴール」サッカーマンガ。飛ばす。「猫町小町」読み切り。マイペース少女の騒動。
で、いちばん良かったのは「おまかせ!ぴーす電器店」。
◆『ヤングマガジン』NO.41 9/28号。 表紙はモーニング娘。程度低い。
順番にいく。「カイジ」次号が早く読みたい。「日直番長」久々に会心のオチ。すばらしい。「工業哀歌バレーボーイズ」マンネリ。いい意味で。「代紋TAKE2」物語がわからんので飛ばす。「食べれません」毎回おもしろいのは見事。「ストッパー毒島」おれ野球とかサッカーとかのマンガって殆ど読まないのよ。「ラストマン」何をやりたいのかいまいちよう分からん。そろそろテーマを明確にしないと読者はついてこない。「おやすみなさい」下手な絵だがそこが味か。「僕といっしょ」これは古谷実の代表作になるだろう。傑作の予感。「頭文字D」フリーハンドで車を描いているのが特徴か。「ギガナイフ」ギャグ大賞入賞作。だが、さっぱりおもしろくない。物語がメチャクチャなだけじゃ不条理ギャグにもなんにもなんないんだってば。「3×3 EYES」まだやってたんかいっ。「湾岸ミッドナイト」車の見分けがつかんちゅうの。「続ごくらく通販生活」つまらんギャグ。「スタア学園」この作者がホラー描いたらすごい恐いだろうな。「ノイローゼダンシング」う〜ん。難しいところだ。画面が煩雑なのが青臭くて良いが。「DEI48」エロ格闘もの。こりゃおもしろいわ。「扱(こ)き極める」って新鮮な響き。「ありゃ馬こりゃ馬」「青竜」飛ばす。「ヘラルド」エロマンガを描いていたのだろうか。やたら絵がエロい。
で、一番は「日直番長」ですな。タイム涼介にしか描けないマンガ。
◆駕篭真太郎「駅前漫才」『コットンコミック』4月号,1998,東京三世社。 『快楽天』の表紙と比べればあからさまに田舎臭いエロ美少女マンガ雑誌の片隅で、これほど密度の濃いマンガが連載されていることに気付いている人はいるのかいないのか今日は台風一過で暑かった。『コットンコミック』掲載の駕篭作品をまとめた単行本が出版されれば、かなり話題になるだろう。しかし、出ないのだな。おいらが出版社に勤めていたら真っ先に出すんだけど。
過剰なツッコミによって相方を殺してしまった青空チッポは漫才界から失踪。つっこみの見本をなくした若者たちはツッコミの手加減がわからず被害者が続出する。そして少女はチッポを復帰させるためにあらゆる手を尽くすのだった。と、あらすじだけでもイッてますが、その絵といい表現のセンスといい本当に素晴らしい。駕篭真太郎は過激な残酷性とユーモアが融合している、というか突き詰めた過剰さによって笑いを引き出している希有な作家なのだが、とくに『コットンコミック』の連載作はそれが際立っているように思う。
7/1998||10/1998
ISHIHARA, Shingo
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