◆予備校掃除のアルバイトを始める。時給1300円だけれど、時間が短いのであまり稼げそうにもないが、けっこう楽。
◆『秋刀魚の味』監・小津安二郎。 小津作品を観るのは初めて。まず思ったのは、これはサトウトシキの最近作のようではないかということ。ということはサトウトシキは小津に傾倒しているのかもしれん。小津安二郎というと日常生活を淡々とつづった作風云々と言われているが、全く違う。日常をこれだけ歪んで描写する人もそういないんじゃないか。すごく異様な世界だ。わけわからん。めちゃくちゃおもろい。ドラッグだよ、こりゃ。★★★★★
◆この前の日曜にカラオケにいったら『どろろ』のテーマがあって驚いたねぇ。もちろん歌った。「ほげほげたらたらほげたらぽん ほげほげたらたらほげたらぴー へにゃへにゃざむらいへーらへーら ふにゃふにゃざうらいへーらへーら (略) これも世のため人のため とぼけちゃいけねぇ知ってるぜぇ おまえらみんなほげたらだ ほげほげたらたらほげたらぽん」。「とぼけちゃいけねぇ知ってるぜ」のとこが最高にいかすんだ。小学生のときビデオで『どろろ』を見て以来、『どろろ』のテーマはおいらのテーマだ。折りに触れ、心のなかで「とぼけちゃいけねぇ知ってるぜぇ」とつぶやいてきたのだ。
◆蜈蚣Melibe『バージェスの乙女たち〜ディノミスクスの章』三和出版,1998。 自分の好きなものを好きなように描いている自由さ。そこに魅力がある。例えば、個人的に汁まみれ漫画は好きではないが、ペンネームは無いがそれを描く姿勢には魅かれるということ。★★★★
◆上村一夫『すみれ白書(3)』双葉社アクションコミックス,1978。 絵師、上村一夫の絵の素晴らしさ。読んでいたら無性に漫画家になりたくなって、スケッチブックを取りだして、この主人公の顔を描き写そうとしたが、まったくダメだった。微妙に違うのだ。そういえば石井隆は、名美の顔を同じに描けるようになるまで、かなりの年月がかかったというようなことを言っていたが、表情というのは微妙な違いで全く異なってしまう。★★★★
◆望月峯太郎『バタアシ金魚(1)(2)』講談社,1986。 めちゃくちゃ絵がうまい。とくに水の描写なんて天才的だ。「思いどおりにいかないこたぁ認めねえぞ」という科白。少年ってのはそういうもんなんだ。誰もが少年時代は、自分の正当性と未来への可能性だけを頼りに生きていた。大人になるとそうでなくなってしまうのなら、大人になんかなりたくねぇ。(近所にブックオフでもあれば一冊百円で続きを手に入れられるのだが、横浜にはブックオフがない。ついでにTUTAYAもあんまない。辛い)。★★★★★
◆26日、舞登志郎『妹の匂い』、来月下旬は町田ひらく新刊。必買。みなさん買いましょうね。
◆フジテレビ深夜の『美少女H』に出ていた黒坂真実が気になる。
◆『絶対満足ZetuMan』6月号笠倉出版。 エロ度も高まり好調のZERRY藤尾。G=ヒコロウは相変わらずおもしろいが、個人的には『ホットミルク』連載の「イヌガミハカセ」のほうが好き。★★★☆
◆『コットンコミック』6月号東京三世社。 駕籠真太郎が載ってるので立ち読みするも、一読、そのアナーキーギャグのあまりの出来の良さに買ってしまう。これは傑作。駕籠真太郎が描き続ける限り、おいらはエロマンガを読み続けるだろう。★★★★☆
◆高橋亮子『水平線をめざせ(4)』小学館フラワーコミックス,1981。 最近、高橋亮子を見かけると買ってしまう。やたら深刻な恋愛物語は今だからこそ新鮮に楽しめる。★★★
◆千葉治郎『僕は君の中』コアマガジン,1996。 千葉治郎はエロマンガという手段できちんと表現しようとしている。といっても、あまり読んではいないのだが、短編集では『Love Is All』、長編ではこれがベストなのではないかと思う。要するにラストで人が死ぬってのが好きなだけかも知れない。★★★★★
◆望月峯太郎『お茶の間(1)』講談社ミスターマガジンKC,1992。 『バタアシ金魚』さえ読んでいないってことで、おいらがいかににわか漫画読みであるかが分かるってもんだ。だが、『バタ金』を読んでなくとも、『お茶の間』はおもしろい。文字や科白で語らせるのではなく、あくまで主人公の行動において語らせるという望月峯太郎の方法は正しい。★★★★
◆『ホットミルク』vol.119,白夜書房,1994。 大山田満月読みたさに購入。4ページほどのカラー短編。絵に重点が置かれていて、物語はおざなり。それならばいっそイラストにしたほうが良いだろう。★★★
◆しろみかずひさ『天気輪の丘で視た世界』三和出版,1997。 あとがきや解説を読んでると、この人がエロマンガを描いてるってことに業を感じてしまう。身を切り刻んでエロマンガを描いている。しかし、普通の人から見れば、気持ち悪いエロマンガとしか言われないところに、エロマンガの不幸がある。 ★★★★
◆平野耕太『大同人物語(1)』ワニブックス,1998。 同人誌界を舞台にした男の熱い戦い。なぜか『一本包丁満太郎』とか牛次郎の世界を思い出してしまうのはおいらだけか。まだ一巻なのでどう話が転がっていくか楽しみ。●平野耕太の部屋★★★★
◆伊集院808『私たちをどうぞ』一水社,1994。 天然なのだろうか? どこか奇妙にずれている、というかひねくれているエロマンガ。もっと絵柄に個性があって、いろんなところで取りあげられれば、町野変丸になる可能性もあったはず。惜しい★★★★
◆SABE『君にやりたいほうだい』久保書店,1996。 裏切りに快楽をおぼえる女の話が良い。SABE独特のひねくれさ。SABEは絵がとても巧いのだからそれを生かした漫画をもっと描いてほしい。
『BEAUTIFUL MONEY』7月上旬発売。買うだろう。★★★★☆
◆『さまよう魂たち』監・ピーター・ジャクソン。 かなりハリウッド菌に毒されてしまっているが、さすがピーター・ジャクソンだけのことはある。気狂い母娘は健在。それにしても、傷ついた男を女が慰めてキスをするというハリウッド映画の構造はなんとかならんのか。飽きた。ダニー・エルフマンの音楽ももう食傷気味だが、クライマックスの一部の音使いはなかなかだった。もっとシンプルな楽器編成と人数でやればいいのに。音が大げさすぎる。★★★
◆『トゥナイト2』を見ていたら、任天堂の宮本茂がアメリカで何かのゲームの賞をもらって「Thank you Thank you」などと演説している場面が流れてきた。宮本茂の業績ってので「ドンキーコング」が紹介されていたが、よく恥ずかしくねぇな。「ドンキーコング」を開発したのは池上通信機であり、任天堂は販売をしていただけだ。任天堂は汚い手と金にものを言わせてその著作権を奪い取っただけだ。むかしからゲーム業界は金と権力にまみれていて、今もそうだろう。特に任天堂は、64のソフトを作るのに任天堂から何億もするソフト開発専用機器を買わねばならないという、相変わらず権力にものをいわせた金儲けシステムを作っていたのだから、64が売れないのは当たり前だ。自業自得。ほげたらしい。
◆竹坂かほり『空のオルガン全8巻』集英社ブーケコミックス,1988~90。 徹夜して読んでしまう。最終話の泣けること泣けること。これが『ぶ~け』連載だったなんて、今の『ぶ~け』を見ていると信じられないなぁ。『ぶ~け』は『ジャンプ』の編集長だった人が編集長になったから恋愛一色に染まってしまったのか。★★★★★
◆マンガ防衛同盟主催による集会にでも行こうかと、衆議院議員会館まで足を運ぶも、すでに開始時間を過ぎていた。過ぎちゃうと入れないのだった。いいかげん、遅刻する性格を直したほうがいいなと反省する。あひびきの時間に遅れて殴られたこともあるしな。高校時代はほぼ毎日遅刻してたし。でもおいらは「遅刻して何が悪いんだい」という立場を貫こう。
◆まんだらけで漫画を五千円ほど購入。ほとんどエロマンガ。
◆新宿でKと食事して東中野ボックスへ。
◆『流れ者図鑑』監・平野勝之。 男女二人が北海道を目的地も決めないで自転車旅行。悪天候にあおられ日々険悪になっていく二人。結局分かりあえないまま男は過去に逃げ込み終わる。やたら後味が悪い。この後味の悪さは貴重だ。素晴らしい。人と人とは根本において分かりあうことなどできないのだという地点から私たちは始めなければならない。
Kはうちに泊まる予定だったが、この映画を見て「帰るわ」と言いだす。う~ん。カップルで見る映画じゃないぞ。みんな気を付けろ。★★★★
◆もう大学生活もあと半年で終わるので、代々木の全国総合模験を受けてみる。どれだけバカになったか分かる仕組み。それにしてもこんなあほな行為のために日曜の朝に早起きして原宿くんだりまでいくとは、我ながら..................
◆雑誌『創』に幼児ポルノ規制関連記事があったので買う。
◆6/6,6/7のメールがなぜか消えてしまった。その二日間にメールを頂いたかたには返事が書けない。すいません。
◆ロフトプラスワンにてエロマンガ集会。詳細はF-OWの6/5の日誌を読んでて頂ければよいのだが、とにかく人いきれで蒸し暑かったという印象と、『ホットミルク』のアンケートによると、読者層がほとんど三十代以上だということが分かっておもしろかったのと(もはやエロマンガはサブカル年寄りの慰み物になってしまったのか。カウンターカルチャーにはなりえないのか。快楽原則以外の表現の実験の場としてのエロマンガという場はほぼ消滅か?)、やはりライターは紙面で活躍すべきだと更科修一郎を見ていて思った。泊 vs.更科が始まった所で帰る。
◆『ロオーリイ』松文館,1998。 『ねね』のリニューアル誌。エロマンガのアンソロジー誌はやたらリニューアルするので、ときどき何が何だか分からなくなる。(『ホットミルク』の雑誌時評はその点でありがたいのだが。)。まぁ、大山田満月が描いているとなれば、とりあえず買わないわけにはいかないですな。しかも連載。今回はプロローグといったところだが、相変わらず丁寧な描写と物語は読ませる。★★★
◆大山田満月は『アリスの城』に傑作をよく描いていたものだが、まだ単行本化されていない。町田ひらくの『アリスの城』掲載作も未単行本化。もったいない。だからコアマガジンから作家が離れてくらしい。『アリスの城』はいろいろ変遷をたどり現在の『コミックアリスくらぶ』に落ち着いたようだが、作品のレヴェルは『アリスの城』時代のほうが上だった。
◆干刈あがた『黄色い髪』朝日新聞社,1987。 純文学的に回りくどく書こうと思えば書けるのにあえてそうしない潔さ。それによってきちんと読者に届いている。 ★★★★★
◆松本充代の単行本を何冊か読みかえす。が、感想は書かない。
◆山下和美『天才柳沢教授の生活(1)(5)』講談社モーニングKC,1989,93。ええ話。 ★★★★
◆山本夜羽『ばちかぶり姫』集英社ヤンジャンCOMICS,1997。テーマってのはいかに隠すかが重要だと思うんだがなぁ。
小説は細部の組合せであって、主題もその細部のひとつにしかすぎない、というようなことが最近立ち読んだ奥泉光のエッセイ集『虚構まみれ』に書いてあった。が、しかし山本夜羽の説教臭さというか青臭さというか前時代的な「革命」は貴重なような気もする。でもやっぱ、「革命」以後が問題なのではないか。 ★★★☆
◆一日中、Theピーズ『とどめをハデにくれ』を聴きながら眠る。
◆ 夕食に、味噌味のきんぴらごぼう、かぶの煮物、ハンバーグなどをつくる。
◆夜、sexをする。
◆一日中、真島昌利『夏のぬけがら』を聴きながら眠る。
◆松本零二『聖凡人伝(1)(2)』小学館文庫,1996。 小学生の頃から松本零二の描くモラトリアム四畳半ものが大好きだった。人生観にかなりの影響を受けている。日高トモキチは『さぼんどーる』で「トランクスをはいている男性は無意識に『男おいどん』のコスプレをしているのだ。」と秀逸なことを書いていた。★★★★★
5/1998||7/1998
ISHIHARA, Shingo
shingoo@lily.sannet.ne.jp