古泉智浩『チェリーボーイズ』

青林工藝舎,2001
ISBN4-88379-095-9 A5判
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表紙画像

 NHKでときどき放送される「青年の主張」は見ていてかなり恥ずかしい。「命は大切に」とかその手の取り繕った主張を、「若さ」を盾に溌剌と語るその姿。「若さ」って、そんな声高な主張ができるほど立派なものだろうか?
 古泉智浩『チェリーボーイズ』は、童貞男子三人組、その名もクンニ、カウパー、ビーチクが、フェラ子(なんてみもふたもないネーミング!!)を襲おうとして、逆にめためたにやっつけられるという、なんとも情けなくてしょうもないお話である。
 クンニはクンニと呼ばれているが、もちろんクンニをしたことがない。カウパーに「どうかクンニにクンニさせてやってください」と土下座されたフェラ子は、クンニにお情けでクンニをさせてあげる。
 初クンニの感激に拳を挙げて叫ぶクンニ。
「やったーー オレはクンニだぞー」。
 これがこのマンガのラストである。
 若さというのは、ときに、どうしようもなさと同義だ。古泉智浩の描く男子も女子もみんなどうしようもなく若くてばかで純粋だ。
 これ以上でもこれ以下でも嘘くさくなる。古泉智浩はそんな絶妙にリアルな話を描ける数少ない描き手の一人である。
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ref.
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