伊藤比呂美
『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』
ISBN/ASIN: 4062139448 , 9784062139441
版元/サークル 講談社
出版年 2007-06-11
定価/頒価 1785円
デザイン 菊地信義
装画
本文イラスト
第15回萩原朔太郎賞受賞
伊藤日本に帰り、絶体絶命に陥る事
母に連れられて、岩の坂から巣鴨に向かう事
渡海して、桃を投げつつよもつひら坂を越える事
投げつけた桃は腐り、伊藤は獣心を取り戻す事
人外の瘴気いよいよ強く、白昼地蔵に出遇う事
道行きして、病者ゆやゆよんと湯田温泉に詣でる事
舌切らず、雀は婆を追い遣る事
梅雨明けず、母は断末魔に四苦八苦する事
ポータラカ西を向き、粛々と咲いて萎む事
鵜飼に往来の利益を聴きとる事
耳よ。おぬしは聴くべし。溲瓶のなかの音のさびしさを。の事
秋晴れに浦島の煙立ち昇る事
瘤とり終いに鬼に遇い、雀の信女は群れ集う事
伊藤ふたたび絶体絶命、子ゆえの闇をした走る事
とげ抜きの信女絶望に駆られて夫を襲う事
良い死に方悪い死に方、詩人は死を凝視める事
伊藤病んで、鳥花に変じ、巨木はべつに何にも変わらぬ事
auther伊藤比呂美
publisher講談社 (2007-06)
design菊地信義
memo
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