『ぴあ』2002年12/9号
この夏、5年ぶりにピーズとしてステージに立ち、バンド復活を満天下に知らしめたTheピーズ。87年に結成、89年にアルバム2枚同時発売でデビューを飾り、97年に活動を停止するまで、バカがつくほど正直に、だからこそやるせなくやさしい歌を鳴らし続けた彼ら。音楽をやる人間に与えた影響も計り知れない。
ハル「今は、"復活"とかって、"ありがとうー""うれしい"とか騒いでくれてるけど」
アピ「これが来年にもなりゃあ、なあ?(笑)」
はる「"ただトシとっただけじゃん"て言われるんじゃん(笑)。これからはしつこいぐらいにやるから。ズルズルズルズル続くから。聴きたくなくても聴いてくださいよ」
その、ズルズル続くライブ、来年3月21日に、SHIBUYA-AXでワンマンが決定した。その前にアルバム『The ピーズ』
[amzn]が2月5日に発売される。
はる「ピーズはいつも通り、やることやってると思うよ。今までも悪いレコードはなかったと恩うし、新しいのもいい」
"ピーズっぼいと思う"との言葉通り、新作でも彼らは何も変わっていない。ちょっとだけ鼻にかかったはるの声。顔の筋肉をキューッと収縮させて弾く姿が思い浮かぶ、アビさんのギター。なんてことないロックだ。
アピ「誰かに聴かせたい、とか、そんなのわかりません。ギター弾きですから(笑)」
はる「好きなことやれてるだけで十分じゃないすか? 幸せだと思うよ。もう、どうせ死ぬまで辞めないから、いいんだ。調子悪くても良くても"辞める"とか言わないで、いつのまにか続いてれぱいい」
伝えよう、なんて思わなくても勝手に伝わっていく歌を照れくさそうに鳴らしながら、いつのまにかピーズは始まっていた。
取材・文*梶原有紀子/撮影*有賀幹夫